「倒産ざまあ」と罵倒されるコンサル業、なぜ嫌われるのか?高給取りの真相は?【 有名コンサルタントが解説】写真はイメージです Photo:PIXTA

「経営のプロ・コンサルの倒産が過去最多」というリサーチの発表が波紋を広げている。世間の人は、よっぽどコンサルが嫌いらしい。思うに、コンサルが嫌われる理由が二つある。コンサルが役に立つ理由も併せて紹介する。(未来予測研究所 坂口孝則)

経営コンサルタント業の倒産が過去最多

 とても奇妙なことがあった。「経営のプロ・コンサルの倒産が過去最多」という東京商工リサーチによる発表だ。冒頭はこう書いてある。

2024年の「経営コンサルタント業」の倒産が154件(前年比7.6%増)に達した。集計開始以降で年間最多だった2023年の143件を上回り、過去最多を更新した。
コンサル業界は1人でも少ない開業資金でスタートでき、参入障壁が低い。だが、参入が容易でも、コロナ禍を経て改めて実績や特色が重視され、玉石混交のコンサル業界では淘汰が加速している。

 筆者が驚いたのは、このリサーチに対する世間の反応だ。経営コンサルタントという存在が異常に嫌われていることは分かっていたものの、インターネット上の罵詈雑言が非常に多い。「経営のプロなのに倒産して草」「コンサルタントなんて不要、害虫」といった誹謗中傷まがいのコメントもあった。

 これは経営コンサルタント業に限らないが、必要な商売だから、世の中に存在している。一方で、どんな業界でも、倒産する企業もあれば、倒産しない企業もある。また、倒産企業には元社員とその家族もいる。ネット上の辛辣な言葉をきっかけに、自死を選んでしまう人もいるかもしれない。

 もう一つ、納得できなかったのが「2024年の倒産が154件」「23年の143件を上回り過去最多」の数字に意味はあるのかという点だ。結論から言うと、意味のある増加と断定することはできない。率直にいえば、これくらいの増加は偶然の範囲内だと考える。