都立男女枠撤廃と3日午前Bランクの状況
図3のBランクは、10校あるうちの6校が公立の中高一貫校となっている。公立校は倍率の高さも敬遠される要因になっているのだが、2020年2687人から24年2112人、25年1957人とAランク同様に減少している。その分を残りの私立4校が吸収しているかといえば、20年946人から24年833人、25年860人と補い切れてはいない。
公立校では、高校の付属校ながら26年から高校での募集を停止して完全中高一貫校になる横浜市立南高等学校附属だけが24年より受験者数を52人も増やしている。Aランクにある同じ横浜市立の横浜サイエンスフロンティア高等学校附属が減らした38人もこちらに流れたのかもしれない。25年(24年)の倍率は、南が5.61(4.96)倍に対して、サイエンスフロンティアが1.84(4.63)倍と大きく開いてしまった。
Bランクの私立3校も見ていこう。学習院女子[一般生B]の出願者数は安定しているが、23年の受験者数は前後の年に比して100人も減少した。24年からは午後の面接を取りやめた。その影響があったのか、24年は292人・6.49倍と大きく戻し、25年も297人と微増、7.43倍と狭き門がさらに狭くなっている。さすがに26年は緩和するのではなかろうか。
東洋英和女学院[B日程]は24年271人・5.65倍から25年は254人・4.38倍に緩和している。22年までCランクだったため図1には載っていないが、1日[A日程]はBランクになってから、23年224人・2.31倍、24年243人・2.59倍、25年242人・2.49倍と比較的安定している。
千葉の東邦大学付属東邦[後期]は減少傾向が続いている。24年の159人・14.5倍から25年は138人・6.9倍へと大きく緩和した。一方で、20年にはCランクだった明治大学付属明治[2回]は、21年以降はBランクで安定している。24年176人・3.91倍から25年171人・4.28倍へと、受験者数は微減だが、倍率はむしろ上がっている。
都立中高一貫校では、24年まで合格者数は男女同数だったものが、25年に男女別定員枠が撤廃されたことで、女子が男子を大きく凌駕するのではないかという観測も流れていた。結果を見ると、最も開いたのが白鴎(男子85女子82)の3人、次いで小石川(男子81女子79)と立川国際(男子66女子64)の2人と微差で、むしろ男子合格者数の方が多い。26年にどのような結果となるか、いまから興味深いところである。
なお、25年には図3にないBランクに、都立の三鷹中等教育学校、富士高等学校附属、白鴎高等学校附属、そして千葉の昭和秀英[2回]の四校も入っており、その受験者数合計は1172人を数える。これと合わせると、3日午前のA・Bランク受験者数合計は25年に6645人と1日午前や2日午前よりはるかに多い。難関・上位校を目指す女子受験生にとっては、減少傾向とはいえ、3日午前がもっとも大きな入試回ということが分かる。
24年までは東京学芸大学附属世田谷や都立南多摩中等教育学校が、23年までは横浜共立学園[B]がBランクに入っていたが、いずれも25年はCランクとなっている。