公立中高一貫校を中心に「難関疲れ」の3日午前

 これまで見てきた通り、1日も2日も午前入試では「難関疲れ」が目立っている。一方で、Bランクが充実している女子の午後入試は比較的盛況で、午後に頑張る女子受験生の支えとなっている。これも女子の短期決戦志向の表れなのだろうが、その影響は3日の入試回になると顕在化してくる。

 図3にあるように、2月3日午前はAランク9校、Bランク10校と大きく増加する。それは、東京と神奈川にある国公立中高一貫校で一斉に入試が行われることが大きい。国公立中学受験生の9割は私立校も併願している。一部の私立校で実施している「適性検査型」はもとより、難関・上位の私立校も併願対象である。図3の3日午前のA・Bランクは、2020年6093人から一貫して減少傾向が続き、24年5380人まで大きく減らした。25年は5473人と100人近く戻しているが、青山学院の増加分には及ばない。

 Aランクにあるのは、国立では高校から女子校となるお茶の水女子大学附属、共学校の筑波大学附属に加えて、女子の場合は公立のAランクが並ぶ。東京都立は小石川中等教育学校武蔵高等学校附属が、横浜市立では横浜サイエンスフロンティア高等学校附属が加わる。国公立の中高一貫系の受検者数が減少傾向にあるのは男子同様で、Aランクは20年の1210人から24年1114人、25年931人と大きく減っている。

 Aランクの私立は4校ある。共学校では、5日に二次試験が課される慶應義塾中等部[一次]が21年395人から減少傾向が続いており、25年は前年比27人減の322人と20年代で最も少ない。その原因として考えられるのは、25年は青山学院が2日から3日に移動してきたことだろうか。青山学院は24年459人から25年は482人と23人増やしている。

 残り2校の女子校はいずれも受験者数を減らしている。24年と25年を比較すると、豊島岡女子学園[2回]は456人・6.71倍から412人・5.44倍へ緩和、鴎友学園女子[2回]は451人・3.27倍から509人・3.64倍と受験者数も増えて倍率も上がっている。

 Aランクのみの小計を見ると、20年2460人から21年・22年・23年は2500人台に増えたものの、24年は一挙に206人減らし2370人となった。25年は2656人と大きく戻しているのだが、青山学院を除くと2174人にとどまり、さらに200人弱減らしたことになる。ここに来て、「難関疲れ」がどっと出てきた感が強い。