1日午後の動向と2026年サンデーショック

 図1に載っていない学校についても触れておこう。2023年からBランクとなった東洋英和[A日程]中央大学附属[1回]は、25年に242人・2.49倍と219人・3.27倍と人気だった。25年にBランクとなった学習院女子[一般生A]は296人・2.74倍とさらに多くの受験生を集めている。これら3校の受験者数も合わせると、25年のA・Bランク受験者数合計は5000人に迫ることになる。

 もう一校、この入試回だけの立教女学院は24年までBランクだったが、25年はCランクとなった。24年の274人・2.12倍が25年は349人・2.57倍と大きく伸ばしている。26年は再びBランクに戻るかもしれない。

 ところで、25年入試は2日がキリスト教の安息日である日曜日となったため、青山学院と系属校の青山学院横浜英和は例年2日に行っていた入試回を3日に移動した。一方で、カトリック校の白百合学園はそのままの日程で入試を行うなど、プロテスタント系の学校との対応の違いが見られた。

 26年は東京・神奈川初日の2月1日が日曜日となる。25年の青山学院のように、入試日程を変更する学校、変更しない学校の状況については、後日詳しく見ていきたい。早々に変更を表明したのが女子学院である。1日午前最多の受験生を集める人気の入試回が動くことによる受験生への影響は極めて大きい。

 1日午前の桜蔭雙葉、日程変更をしないとしているフェリス女学院女子学院の併願が可能になる。一方で、2日午前の雄である豊島岡女子学園[1回]白百合学園との間で受験生がどのように動くことになるのか。実に興味深い。

 1日午後A・Bランクは、男子は2校しかなかったが、短期決戦志向が強い女子の場合は、だいぶ様相が異なる。Aランクに広尾学園[2回]の「本科」と「ISG」しかないのは男子と同じだ。24年と25年を比較すると、「本科」は285人・2.79倍から303人・2.75倍に、「ISG」は188人・2.81倍から179人・5.77倍へと動いた。

 男子には一つだけのBランクが、女子は八つもある。そのうち、24年まで[1回]だった東京農業大学第一[2回]は、1日午後定番の併願先として人気だった。二つの入試区分があり、「算理」は141人・2.2倍、「算国」は285人・2.28倍となっている。女子は理科よりも国語を選ぶ受験生が多い(25年男子は「算理」300人、「算国」174人)。

 24年は「算国」「算理」を合わせて489人が受験しており、この回だけを見ると25年は63人減少しているのだが、25年から高校での募集を停止して1日午前の入試回新設により中学の募集定員を25人増の200人とした。その結果、25年は2035人(男子1072人、女子963人)と24年1932人(男子926人、女子1006人)より103人増(うち女子は43人減)となり、世田谷区の共学トップ校として、名実共に躍進の年となった。

 残りのBランク(25年受験者数・実倍率)は、22年から開智日本橋学園[特待生](93人・4.89倍)が、23年から山手学院[特待選抜1](187人・2.28倍)と田園調布学園[午後](173人・1.48倍)、そして広尾学園小石川[2回ISG](76人・5.07倍)が加わり、24年に東京都市大学等々力[1回S特](163人・1.77倍)、広尾学園小石川[2回本科](93人・4.43倍)、三田国際科学学園[2回ISG](134人・4.19倍)がそろった。この中で唯一の女子校である田園調布学園[午後]は、3倍超えが当たり前の1日午後では最もハードルが低いため、オアシスのような入試回だろう。

 1日午後のA・Bランクの受験者数合計は、24年1865人から1827人といささか減少しているものの、1日午前の同ランク受験者数合計の4割強相当と多い。この点は男子受験生と大きく異なる点だろう。