青山学院の穴を埋められなかった2月2日午前

 図2のように、2025年の2日午前A・Bランク受験者数合計は3327人と、1日午前の8割に相当する。24年は9割相当だった。大きく減らした原因は、Aランクの青山学院が25年は3日に移ったからだ。青山学院が抜けた穴を同じランクの学校では埋め切れなかった。

 25年の2日午前にはAランクが6校そろっている。中でも、1日午前の難関女子校受験生が併願先として集まり、受験者数で他校を大きく引き離す豊島岡女子学園[1回]の存在が大きい。JR湘南新宿ラインや東京メトロ副都心線の東急東横線乗り入れにより、神奈川方面からの受験生を取り込むことができるようになったことは大きい

 受験者数は21年から減少傾向とはいえ、3つの入試回がいずれもAランクという女子校は他に洗足学園があるくらいだ。25年は算数と英語資格を合わせた新入試区分を若干名の募集で各回に設けた。その出願者数は合計286人で、うち7割は従来型の4科との併願となっている。詳しくは後日、「英語導入元年」の検証のときに触れていきたい。

 次いで受験者数が多かったのは、準難関校的な位置付けから24年・25年はAランク入りした吉祥女子[2回]で、25年は755人が受験している。23年からの倍率は3.35倍、3.28倍、3.3倍と3.3倍前後を推移しており、女子校の中では高倍率の人気を保っている。

 洗足学園[2回]豊島岡同様、受験者数の減少傾向が続く「難関疲れ」の象徴的な学校となっている。24年505人・3.1倍から25年は439人・2.63倍へと大きく緩和している。これは1日[1回]と同様の傾向で、26年に反発して上昇することができるか注目される。

 2日午前でAランクをずっと維持してきた共学校についても見ておこう。渋渋[2回]は24年287人から25年は320人と大きく受験者数を増やした結果、倍率も4.04倍から4.44倍へと高まっている。25年の各入試回の合格者数を見ると、1日[1回](男子52、女子53)、[2回](男子145、女子72)、5日[3回](男子46、女子26)と男子の方が多いのだが、男子合格者の歩留まり次第では、24年にほぼ男女同数となった入学者数が、再び女子多めとなるかもしれない。

 4日に二次試験が控えている慶應義塾湘南藤沢[一次]は、24年241人・2.11倍から25年251人・2.11倍と安定している。渋谷教育学園幕張[二次]は24年172人・11.5倍から25年153人・13.91倍と受験者が減ったのに倍率が大きく上がった。これは男子受験生編でも触れた通り、1月22日[一次]で合格者を多く出したため、合格者数が15人から11人に減少したことが大きい。いずれにせよ、大変に狭き門に変わりはない。

 Bランクはいずれも減少傾向が続いていた。24年に受験者数を上積みした明治大学付属明治[1回]は、25年も続伸して前年比32人増となっている。考えられる要因は青山学院が抜けた穴を埋めたことぐらいなのだが。倍率は24年3.66倍から25年は3.44倍にいささか緩和している。

 この日1回だけの入試を行う白百合学園は、25年233人と受験者数を24年より26人減らしている。その結果、倍率は24年2.27倍から1.81倍と2倍を大きく割り込んでしまった。同様の傾向を見せているフェリス女学院は25年に2.02倍となんとか踏みとどまったものの、両校とも入試のあり方を26年以降は見直す必要が出てきそうだ。