大学生、そして社会人からも圧倒的な支持を受ける就活塾「我究館」をご存じだろうか。
第一志望内定率92.7%と圧倒的な成果を残し、ロングセラー『絶対内定』シリーズの著者としても有名だ。今回は、本シリーズから現在就職活動中の人に向けて「やりたいことがないまま就活する人が知っておきたいこと」を紹介する。(本記事は、2023年5月13日の記事をアップデートし、2025年度版<2026年卒向け>として掲載しています)

自分が心から望むこと(=夢)は何か?
夢は考え出すものではない。ひねり出すものでもない。
頭で戦略的に考えた夢(目標)を否定するつもりはないが、心の中からナチュラルに湧き出るものを大事にしてほしい。実行の段階においては、時には意志の力も必要になるだろうが、夢を発見する段階では、勝手に心が動かされるものを自分の内に感じ取ってほしい。
そういうものであればあるほど、努力が苦痛ではないはずだ。人から言われるのではなく、ナチュラルに自分の気持ちで動いていけるのだ。とことんやれるはずなのだ。
心を動かされる夢や憧れがない人は、そのほとんどが刺激を受けるチャンスが足りなすぎる。
意志の力で自分を抑圧して、漫然と勉強や興味の持てないバイトなどに長期的に力を注いでしまったためか、あるいは金銭的制約や家族などの狭い価値観の常識の抑圧の中で、常に現実的な選択を迫られてきたためか、いずれにしろ心の内の本音に気づく感受性も鈍ってしまっている。
そういう状態の人は必然的に爆発的な集中力も、突っ走りたくなる衝動も失ってしまっている。
もっと刺激を受けよう
世の中には刺激的な人間がいくらでもいる。会社員にも大学生にも、目が覚めて強烈な夢と志を持って燃えて生きている人間がいるのだ。そういう人物に触れ、憧れ、悲しみ、驚きにあふれる社会の現実を見て、心を突き動かされてほしい。
その瞬間、きみは人と違う行動を歩むことに恐怖を感じなくなるはずだ。
「私には私の夢がある」
その状態で、本音と行動がミートしている感覚を持ちながら、生身で現実に立ち向かってほしい。
夢ややりたいことを見つけ出せない人の特徴
次のようなケースが多く見られる。
本当はやりたいこと、例えば『ONE PIECE』の主人公ルフィのような、世界を股にかける冒険の旅を望んでいるのに、金もないし、親が許すわけないし、親を悲しませたくないし、自分も怖くてできないし、どう思われるか分からないしどうせ無理だから......という気持ちから、自分の思いにふたをしてしまうのだ。
たとえ本当に無理だとしても、自分の思いにふたをした状態では、ごまかして社会人訪問しても、エントリーシートを書いても、「やりたいことが分からない」という悩みのスパイラルに落ちていく……。
「どうせ無理だから」と心にふたをしてしまっては、本気で何かに取りかかることが極めて困難になる。心の中にある本音に、いつまでたっても気づきにくい。
心のふたを取る
まずふたを取れ。取ってしまえ。非現実的だろうと、金がないから絶対に無理であろうと、無謀で危険で親不孝で、あり得ない選択だとしても、「もし何の制約もないのなら本当はどうしたいのか」をはっきりと感じ取ろう。言葉にしてみよう。
そして、本当に今それをしたいのか。できるのか。逃げずに現実的に考えてみよう。
「今は無理だ」あるいは「憧れるが現実的でない」とはっきり分かったのなら、どうするか考えよう。いつか実現するとして、今は違う選択をするもよし。何か違うやりたいことを見つけるもよし。
「やっぱりどうしてもやりたい。できるだけ早く実現したい」とはっきり感じたならば、覚悟を持てたならば、その実現に向かって準備を始める。いずれにしろ、はっきりと割り切ることだ。心に決着をつけることだ。
(本稿は、『絶対内定2026』からの抜粋記事です)
(株)ジャパンビジネスラボ創業者、我究館、プレゼンス創業者・元会長
1963年東京都生まれ。慶應義塾大学理工学部管理工学科卒。米国ハーバード大学ケネディ行政大学院修了(MPA)。87年、住友商事入社。損害保険会社に転職し、経営戦略と人材育成・採用を担当。90年、シャインズを結成し、『私の彼はサラリーマン』でCDデビュー。92年、(株)ジャパンビジネスラボ及び「我究館」を設立。就職活動に初めて“キャリアデザイン”の概念を導入し、独自の人材育成「我究(がきゅう)」を展開。94年『絶対内定95』を上梓。97年、我究館社会人校を開校。2001年、TOEIC(R)/TOEFL(R)/英会話/中国語コーチングスクール「プレゼンス」を設立。08年にハーバード大学ウェザーヘッド国際問題研究所客員研究員に就任、日米の雇用・教育問題と政策について研究。11年8月急逝。著書は「絶対内定」シリーズ、『新TOEIC(R)テスト900点 新TOEFL(R)テスト100点への王道』(共にダイヤモンド社)、『ハーバード・ケネディスクールでは、何をどう教えているか』(共著、英治出版)、『アツイコトバ』(一部電子書籍はダイヤモンド社より発行)等。
心から納得のいくキャリアの描き方と実現をサポートする就職・転職コーチングスクール。1992年の創立以来、30年以上にわたり全業界に1万人以上の人材を輩出。日本を代表するコーチ陣が、就職、転職、ロースクールや医学部進学、MBA留学、資格取得等、次の成長の機会を模索し、その実現に悩む人々をバックアップしている。