親世代と子世代では、会社選びの基準は大きく異なる。働き方の価値観が多様化している今、大企業や有名企業ばかりを向いていては、本当にやりたい仕事、自分が成長できる会社を見つけるのは難しい。自らの強み・弱みや向き・不向きを踏まえつつ「自分軸」をしっかり作ることが重要だ。(取材・文/古井一匡)
毎年、就活で学生からよく上がるのが「どの業界や会社が自分に向いているのか分からない」「社会に出て働いているイメージが湧かない」という声だ。
迷いから就活への取り組みが遅れがちになる学生もいれば、カードゲームのような感覚で内定集めに走る学生もいる。
それらの背景にあるのは「自分軸」が曖昧なことではなかろうか。
就活は「自分軸」を
見つめ直す絶好の機会
就活における「自分軸」の要素をまとめたのが上の図だ。
自分軸は最初から確立されているものではないし、また確立されている必要もない。
そもそも生まれてから20年程度、ほぼ家庭と学校を往復してきただけで、就活生が自分の強みや特徴、向き・不向きをそう簡単に把握できるわけではない。
ただ「何だかこれが好きだ」「こういうときに頑張れた」という経験は誰しもあるだろう。周囲から「あなたのこういうところが良い」と褒められたこともあるはずだ。
まずは、そうしたシーンを思い出してほしい。就活はこれまでの自分と向き合い、自分を見つめ直す絶好の機会だ。そういう振り返りが「自分軸」を作る出発点となる。