「自分も、もっと数字に強ければ…」
日々の買い物や職場で「数字コンプレックス」を感じたことはないだろうか。「算数や数学は大キライ…」「できるだけ見たくない…」中には「数字はもう諦めた」という人もいるだろう。
しかし実は、「数字に強い」は生まれつきの才能ではない。数字に強い人は、無意識のうちに九九などの「頭を使わないラクな計算」を使って、面倒な計算をうまくサボっているのだ。
新刊『「数字がこわい」がなくなる本』は、数字に強い人の脳内を解明した一冊。数字に強い人が無意識にやっている「頭を使わないサボり計算テク」を知れる本書の中から、今回は「数字のとらえ方」について紹介したい。

【「750÷1.5」の答え、瞬時にわかる?】わからない人は二流。数字に強い“一流”が頭の中でやっている“すごい考え方”の中身Photo: Adobe Stock

「小数の割り算」一瞬でできますか?

問題 750÷1.5=?

 皆さんはこのような数字が出てきたとき、いつもどのように対処していますか? 計算するのも面倒ですよね。スマホ・電卓を使ってしまう人は多いと思います。

 ここですぐに「スマホを使ってしまえばいいじゃん!」と思う方もいるかもしれませんが、それではいつまでもスマホに依存することになってしまいます。これでは残念ながら、「数字に弱い人」のままです。

 今回は、「数字に強い人」がどう考えているのか、を考えていきましょう。

数字に強い人は「割り算をそのまま割らない」

 実は割り算は、次の3種類で分けるとわかりやすい、という性質があります。

(A)分ける:6個のものを、3人で分けると何個? →2個
(B)回転数:6個の中に、3個分はいくつあるか? →2つ分
(C)1基準:3個に対しての6個は、1個に対しての何個分か? →2個分

 それぞれ、ちょっとした考え方の違いなのですが、実はこの考え方を使ってみると、今回の計算もうまくできるようになります。

早速(A)からやってみましょう。

(A) (分ける)750を1.5等分する

 今回の場合、A(分ける)では意味がわかりづらいですね。1.5等分…、つまり、1つ半に分けるということですが、難しく感じます。
 意味がよくわからない場合は、無理にAで解釈する必要はありません。

数字に強い人は「自分にわかりやすい考え方」を使う

 ではここで、B(回転数)やC(1基準)で考えてみましょう。

(B)回転数:750の中に1.5が何個分入っているか?
(C)1基準:1.5に対しての750は、1に対してのいくつか?

(B)回転数
「750の中に1.5が何個分入っているか?」ということなので、数えてみましょう。1.5が10個あると、15ですね。100個あると、150。
 このように適当な数字を入れて考えてみると、750のためには500個必要そうです。

(C)1基準
 これは具体例で考えてみましょう。1.5時間で750km進んだのであれば、1時間あたり何キロ進んでいるでしょうか? 500kmですね。

 いかがでしょうか。Aの分け方をするよりも、「(B)(C)ならわかりやすくなった」という人もいるのではないでしょうか。

 ちなみに「BはわかったけどCはわからない」という人は、それでも全く問題ありません。その逆でも大丈夫です。重要なのは、「自分が一番わかりやすい意味で割り算を使える」こと。こうすれば、慌てることが減っていきます。

数字に強い人は、計算する前に「一歩立ち止まる」

 このように、数字に強い人は面倒な計算は極力省きます。また、計算が面倒になりそうになったら、できるだけカンタンな計算になるように数字をほどよく調整してしまうのです。

 数字に強い人はこういった柔軟な考え方をすることができる人です。逆に言えば、「数字に弱い人」は目の前にある面倒な数字に何の工夫もせずにそのまま立ち向かって撃沈してしまいがちです。

 数字を扱う前に、まず一歩立ち止まることを心がけてみるとよいでしょう。

(本記事は『「数字がこわい」がなくなる本』の一部に加筆・調整・編集した原稿です)