閣議に参加した高市早苗首相と小泉進次郎防衛相 Photo:JIJI
高市首相の「中傷ショート動画」疑惑が世間を騒がせています。実はその裏で、日本の「民主主義」を根底から破壊しかねない本当の脅威が忍び寄っています。“昭和の怪文書”の延長線上に過ぎない動画騒動の陰で、私たちの「民意」を密かに、そして確実に操作しかねない「見えない敵」の正体に迫ります。(ノンフィクションライター 窪田順生)
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古典的プロパガンダで騒ぐ
日本人の「平和ボケ」
サナエトークンに続いて今度はサナエステマかよーー。
そんな風に呆れた人も多いのではないか。「週刊文春」が、高市早苗首相の公設第一秘書らが「政敵」を中傷したり、高市首相を称賛したりするショート動画をAIを用いて1日100本以上も作成して、世論誘導を企ていたという「疑惑」を報じたのだ。高市首相は「一切行っていないと報告を受けている」として、週刊文春の報道を否定している(NHK 5月8日)。
記事によれば、中傷の標的になったのは、昨年の自民党総裁選で争った小泉進次郎防衛相や林芳正総務相。さらに今年2月の衆院選では、中道改革連合の枝野幸男氏をTikTokのショート動画でディスっていたという。
この文春砲を受けて、野党やアンチ高市の皆さんは「民主主義に関わる大問題だ!」と大騒ぎをしているが、スピンコントロール(情報操作)の実態を長く取材してきた立場から言わせていただくと、この手の「裏工作」はたまたまバレていないだけで、与野党の政治家問わず行っている。
ある程度の年齢のメディア関係者ならわかるだろうが、昔は選挙のたびに候補者を誹謗中傷したり、ヨイショしたりする「怪文書」が大量にバラ撒かれた。これはもちろん、それぞれの陣営が政治家本人に累が及ばないような形で、外部の人間を使って仕掛けている。その「怪文書」がSNS投稿やショート動画に置き換わっただけの話なのだ。







