
スタグフレーションが話題に上り始めた。
輸入品への関税を大幅に引き上げるというドナルド・トランプ米大統領の決定により、米国は成長の鈍化または停滞と物価上昇が同時に起こる不快な状況に直面する恐れがある。いわゆるスタグフレーションだ。
米国はメキシコとカナダからの輸入品に25%の関税を課し、中国に対しては先月の10%引き上げに続いてさらに10%を上乗せした。プルーデンシャルのチーフエコノミスト、レイ・ファリス氏は、関税が企業の投資計画に大きな混乱をもたらすとの見方を示し、「インフレを引き起こすため、雇用と賃金の伸びの鈍化によって家計所得の拡大が減速している中で、実質家計所得にショックを与えることになる」と述べた。
トランプ大統領がどれだけの期間関税を維持するつもりなのかはまだ不透明だ。ハワード・ラトニック商務長官は4日午後にFOXビジネスに出演し、関税引き下げが検討されている可能性を示唆した。
一部のエコノミストは、関税が維持されれば景気後退の可能性が大幅に高まるとみている。
アクセス/マクロのチーフエコノミスト、ティム・マヘディー氏は「事態は急速に悪化しかねない。1970年代や80年代ほどの水準ではないが、スタグフレーション、またはミニスタグセッション(小規模なスタグフレーション的景気後退)の兆しがある」と述べた。