堀江さんは東京大学在学中に起業し、2000年4月、27歳で東証マザーズに上場を果たし、30歳で資産60億円の長者に登りつめました。その後、プロ野球球団の買収を申し出たり、2005年にニッポン放送の株式を買収して筆頭株主になったりと、時代の寵児として注目され、多くのメディアに取りあげられました。

 当時の世の中は、堀江さんに対して多くのマスコミが「なんだこの若造は。ちょっと金を儲けたからといって、調子に乗って」と、反発をもって受け止めていました。

先入観を捨てた対話の力
堀江貴文氏が見せた素顔

 私は、当時司会を務めていた日本テレビの『ザ・ワイド』で彼にインタビューをする機会がありました。

 九州の出身であることと、出身大学くらいしか共通項はなかったのですが、とにかく、「彼が本当のところは何を考えているのか、よく聞こうじゃないか」と、批判や批評の言葉を一切向けることなく臨みました。

 そうしたら、堀江さんの反応は大変よく、1時間半くらい、いろいろと懇切丁寧に質問に答えてくれました。マスコミに対して斜に構えたそれまでの印象とは違って、今の自分の思いと、これからどうしたいのかということを、きっちり話してくれたのです。

 自分たちの先入観で判断せずに、謙虚かつ誠実に、決して裏切るような態度を取らずに相手に接していく。このような姿勢で臨み、とてもいい内容のインタビューを録ることができました。

 その思いは堀江さんにも通じていたかもしれません。その後すぐ、自身のX(当時はTwitter)で、好印象だったという感想を投稿してくれていました。

監督・川上哲治の真実
「哲のカーテン」の裏側とは

 また、読売巨人軍の監督だった川上哲治さんのことも思い出深いです。

 川上さんは戦前からプロ野球のスターとして活躍され、読売巨人軍の監督としても、11回の日本シリーズ制覇を成し遂げられました。中でも9年連続日本一という実績は、プロ野球史上最高の偉大な金字塔となっています。