コカ・コーラーPhoto:NurPhoto/gettyimages

 貿易制限の脅威と景気減速に動揺した一部の投資家が、古典的な防御策に目を向けている。高配当株だ。

 高めの現金配当を行う企業の株価は今年、市場全体よりも好調に推移している。 シュワブ米国配当株式ETF (上場投資信託)やSPDR S&P高配当株式ETFといった大型の配当重視ファンドの一部は、年初来で4%余り上昇している。一方、主要指数の騰落率はマイナスに転じた。

 高配当の大型株の一部は大きく上昇している。過去25年間連続で増配を続けた企業で構成されるS&P500配当貴族指数は、年初来(6日の取引終了時点)トータルリターンが約3.5%となっている。同指数の構成銘柄である飲料大手 コカ・コーラ と医薬品・日用品大手 ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J) はいずれも年初来上昇率が2桁に達している。一方、半導体大手エヌビディアや同業ブロードコムといった最近の株式市場のスター銘柄は15%超下げている。

 ドナルド・トランプ米大統領による関税の脅威などを背景に、7日のS&P500種指数は前週末比の下落率が昨年9月以来の大きさとなった。そうした中、一部の資産運用担当者は、こうした実績のある銘柄とその定期的な配当支払いが今後数カ月でさらに輝きを増す可能性があると述べた。