ウクライナはこの冬、ロシアと共に戦うために派遣された大勢の北朝鮮兵という脅威にどう対応するかという問いに急いで答えを出そうとしていた。そのときに頼ったのが、北朝鮮のやり方が染みついた脱北者だった。米国の名門大学の出身で、流ちょうに英語を話す人権活動家のリ・ソンミン氏(37)は、金正恩氏が送り込んだ若い兵士を突き動かしている動機をウクライナ軍が理解できるように協力している。重要な資料を訳し、兵士を説得して投降させるための反体制のビラについてアイデアを出した。「彼らと会話をしているような気がした」。韓国に逃れる前には国家機関で働いていたリ氏はそう話した。「自分が仲間の兵士のような気がした」