米消費者は今年に入り、めまぐるしい関税の応酬や根強いインフレ、より最近では景気後退(リセッション)懸念の再燃など、さまざまな心配事に頭を悩ませている。これらの懸念は生活必需品から高級品に至るあらゆる分野で、富裕層にも貧困層にも一様に支出への打撃となっているようだ。低所得層の消費者については、2月末にシカゴ経済クラブで行われたインタビューで、米小売り大手ウォルマートのダグ・マクミロン最高経営責任者(CEO)が「予算の厳しい」顧客は節約を強いられていると述べた。彼らは「1カ月が終わる前に生活資金を使い果たす」ため、月末になると少量パックの商品を購入するのだという。ファストフードチェーン大手のマクドナルドは直近の決算説明会で、同業界は今年「低調なスタート」を切っているとし、低所得層の消費者による需要低迷を一因に挙げた。マクドナルドによると、2024年10-12月期の米ファストフード業界全体の低所得層の来店客による売上高は、前年同期比の減少率が2桁に達したという。