
就職・採用戦線は早期化している。売り手市場が強まる中、業績好調な大手企業、中でも働き方改革や若手の待遇改善を進め、早期から積極的に学生との接点を提供して人気を集めた企業はどこか。全5回の連載「就職人気企業ランキング2026卒就活【後半戦】調査」第1回は就活の全体傾向と文理・男女の就職人気企業ランキング1~5位を取り上げる。(調査・分析/ダイヤモンド・ヒューマンリソース 経営企画室室長 高村太朗)
*著者の苗字「高」ははしごだか。
2026年卒の3人に1人が内定持ち
就職人気企業ランキング大公開
上場企業の2024年4~12月期の純利益合計は2年連続で過去最高となった。好調な業績と少子高齢化による若年層の労働力不足を背景に、26年新卒採用においても企業の採用意欲は高く、売り手市場の環境は継続。学生の獲得競争が激化している。
政府主導の採用ルールでは、採用広報開始が3月、採用選考開始が6月と定められているが、一定の基準を満たしたインターンシップで企業が得た学生情報を、広報活動や採用選考活動に使用できるようになった昨年のインターンシップルール変更により、参加者を対象にした早期選考をはじめ就職・採用活動の早期化が加速した。
ダイヤモンド・ヒューマンリソースが今年2月中旬に実施した学生活動調査では、内定を獲得した学生は36.1%と前年同時期(27.6%)から8.5ポイント増加。うち、複数の内定を得ている学生は45.5%で、同31.2%から14.3ポイントの増加となった。平均内定獲得社数(1.8社)もわずかに増加しており、3人に1人が内定を得た上で採用広報解禁を迎えている。
入社を希望する企業規模については「できるだけ大手企業に行きたい」(44.5%)、「大手企業を優先し、中堅以下の企業には絶対行きたくない」(24.4%)を合わせて7割に迫り、学生の根強い大手企業志向が見て取れる。
こうした中、26卒後半戦ランキングは前半戦調査に続いて、業績の好調な大手企業、中でも働き方改革や若手の待遇改善を進め、早期から積極的に学生との接点を提供した業界トップ企業に人気が集中する結果となった。文理・男女別にそれぞれの傾向を見ていこう。
次ページでは、文理・男女別にそれぞれランキング1~5位を紹介する。