頑張っているのに、結果がついてこない」「必死に仕事をしても締め切りに間に合わない」同僚は次々と仕事を片付け、成果を出し、上司にも信頼されているのに、「なんでこんなに差がつくんだ……」と自信を失ったとき、どうすればいいのでしょうか?
ビジネススキルを発信するTikTokのフォロワーが20万人を超え『コンサル時代に教わった 仕事ができる人の当たり前』の著者である「にっしー社長」こと西原亮氏に教えてもらった「超優秀な人が秘かにしている仕事のコツ」を本記事で紹介します。(構成/ダイヤモンド社・林拓馬)

仕事ができない人は「早く話さなきゃ」と思う。仕事ができる人はどうする?Photo: Adobe Stock

話し下手の克服方法

 よくライブ配信などをしていると、「話し下手なのですが、どうしたらいいですか?」と質問を受けることがあります。

 そうしたとき、私はいつも次のようにアドバイスしています。

 そもそも「話し下手」とは何かを考えると、多くの人は次の2つのことで悩んでいます。

1. 思っていることがうまく伝わらない

2. 言葉がスムーズに出てこない

 このような状態にあるため、自分は話し下手だと思い込んでしまうのです。

 しかし、本質的な問題は「すぐに話せないこと」を話し下手と勘違いしている点にあります。

 最終的に相手に伝わればよいのですが、多くの人は「素早く伝えなければならない」と考え、それができないために話し下手だと感じてしまうのです。

 しかし、話し下手であろうと話し上手であろうと、これまでの人生で他者とコミュニケーションを取ってきた経験はあるはずです。

 時間をかけて言葉を整理し、相手に伝えれば、しっかり伝わるという経験があるでしょう。

 つまり、話し下手の本質は「話すスピードを短縮したい」という願望にあります。

ゴルフスイングをイメージする

 話し下手を改善するために、ゴルフスイングをイメージすると分かりやすいです。

 例えば、ゴルフ初心者が、基本のフォームを覚えずに「早くコースに出たい」と焦ってプレーすると、スコアも伸びず、飛距離も出ません。

 しかし、時間をかけてコーチに習い、正しいスイングや打ち方を身につければ、1年後、2年後にはしっかり遠くへ飛ばせるようになります。

 これは話すことにも同じことが言えます。

 話し下手な人は、「早く答えなければ」「上司に怒られる」と焦るあまり、言葉を整理する時間を取らずに話し始めてしまうのです。

 しかし、本来大切なのは、しっかり考え、頭の中で言葉を整理してから伝えることです。

 例えば、自分はすぐに話せなくても、60秒かければ伝えられるという人も多いでしょう。

 しかし、仕事の場面では、60秒もかけて話すことが許されないこともあります。

 そのため、多くの人は、考えも整理も中途半端なまま話し始めてしまい、結果として支離滅裂な発言になってしまうのです。

 この「整理する時間を確保できていない」ことこそが、話し下手の原因です。

実践すべきトレーニング

 そこで、ぜひ皆さんにやっていただきたいのが、「日常の中で意識的に言葉を整理して話す」トレーニングです。

 例えば、買い物をするときなど、どんな場面でも構いません。

 頭の中で伝えたいことを整理し、丁寧に言葉にする習慣をつけましょう。

 私自身の例で言うと、服を買うときに「おしゃれなやつください」と漠然と伝えるのではなく、

「色は〇〇で、素材は△△、価格はこのくらいのものが欲しい」と、要素を分解して伝えます。

 このように、相手に伝えたい情報を整理し、「この3つのポイントを伝えれば十分」「この1点を伝えればよい」とそぎ落とすことで、分かりやすく話せるようになります。

 この習慣を身につけることで、話し下手は確実に克服できるはずです。ぜひ実践してみてください。

(本記事は『コンサル時代に教わった 仕事ができる人の当たり前』の著者、西原亮氏が特別に書き下ろしたものです)