話のうまい人は、相手に話してもらうことが上手です。なので、「問いかけ上手」でもあります。話題の書籍『対話するプレゼン』の著者、岩下宏一は、「ただ、逆効果になってしまう質問があるので要注意」と言います。本記事では、『対話するプレゼン』より、本文の一部を抜粋・加筆・再編集してお届けします。
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話し上手ほど「話す」のではなく「問いかける」…その決定的な理由とは?
プレゼン上手な人や話のうまい人は、相手に話してもらうことが上手です。
相手に問いかけ、受けとめ、そのサイクルをまわすことでコミュニケーションをはかっていきます。
ここでいう「問いかけ」とは、相手が答えやすい質問をすることです。
その質問、相手を追い詰めてるかも?会話を壊すNG問いかけとは
せっかく「問いかけ」ているのに逆効果になってしまう「良くない質問」があります。
それは、相手が「試されていると感じる」「答えるのが恥ずかしくなる」問いかけです。
これは絶対はやめましょう。
時折見かけるのが、相手の知識や経験の有無を問う質問を連発してしまうケースです。質問をしているご本人には悪気はなく、相手の興味を引こうとしているのですが、相手の気持ちへの配慮が不足していることがあります。
「あれも知らない」「それはまだやっていない」という答えを続けていると、相手は良い気分ではいられません。このような質問が重なると、聞き手の心を閉ざしてしまう可能性があります。
相手を試してしまっている質問の例
「〇〇というサービスがいまアメリカでかなり導入されているのですが、これ、ご存じですか?」
「この業界におけるトレンドが、あるできごとによって一気に変わりました。お聞きになったことありますか?」
「この方式、目ざとい企業はけっこう取り入れていますが、御社でも実行されていますか?」
こういった質問は避けましょう。
相手が答えられない状況を作ると、対話の空気が冷え込んでしまいます。相手が恥をかくような状況にならないよう、充分に配慮することが大切です。
どうしても尋ねる必要がある場合は、相手との確かな信頼関係が築けてからにしましょう。それまでは、相手が安心して話せる雰囲気を保つことを優先してください。