
【ワシントン】ドナルド・トランプ米大統領は3月31日、今週発表予定の最新の関税に関する計画を決定したと述べたが、その内容は明らかにしなかった。トランプ氏の経済チームは米国の貿易戦略の再構築を巡り意見をまとめるのに苦心していた。
トランプ氏は大統領執務室で「解放の日」の計画を決定したかと尋ねられ、「決めたよ、うん」と答えた。解放の日は、自身に課した関税発表期限の4月2日を指す。
トランプ氏のチームは、事実上全ての輸入品に20%のグローバル関税を課すことを含め、他国に関税を課す方法についていくつかのアイデアを提案してきた。事情を知る複数の関係者によると、31日を通じて一部の側近は、トランプ氏が特定の方針にコミットしていないとの印象を持っていた。関係者によると、協議は流動的な状況が続いており、方針を決定したとのトランプ氏の発言は一部のホワイトハウス顧問の不意を突いた。
非公開での議論では、トランプ氏の優先事項の矛盾が浮き彫りになった。最大の問題は、関税で歳入を増やすと同時に、他国に関税引き下げや他の政策変更を促す材料として関税を利用したいという点だ。だが関税が交渉の対象となり、時間とともに引き下げられる可能性があれば、関税導入によってどれだけの歳入が最終的に見込めるかについて疑問が生じる。また、トランプ氏のチームは同氏の選挙公約を後退させているように見られたくないが、一部の側近は関税が物価に与える影響を懸念している。