「自分も、もっと数字に強ければ…」
日々の買い物や職場で「数字コンプレックス」を感じたことはないだろうか。「算数や数学は大キライ…」「できるだけ見たくない…」中には「数字はもう諦めた」という人もいるだろう。
しかし実は、「数字に強い」は生まれつきの才能ではない。数字に強い人は、無意識のうちに九九などの「頭を使わないラクな計算」を使って、面倒な計算をうまくサボっているのだ。
新刊『「数字がこわい」がなくなる本』は、数字に強い人の脳内を解明した一冊。数字に強い人が無意識にやっている「頭を使わないサボり計算テク」を知れる本書の中から、今回は「数字のとらえ方」について紹介したい。

「5%割引」計算できますか?
職場からの帰りにスーパーに寄ったところ、お弁当が割引されていました。640円だったのが、5%の割引です。
さて、このお弁当は確かに安くなっていますが、みなさんは本当に「お得」だと思いますか?
ここでなんとなく「安くなってるし、買おう!」と思って買ってしまう人は多いかもしれませんが、それは残念ながら「数字に弱い人」の考え方です。
今回は、「数字に強い人」がどう考えているのかを考えていきましょう。
数字に強い人がまず最初に考える1つのこと
「5%引き」を計算しようとすると、まず考えるのが、次の計算式ではないでしょうか。
これはもちろん正しい計算方法ではあるのですが、正直、かなり計算がしづらいですよね。「5をかける」は他のかけ算にくらべると計算はしやすい直感はするのですが、実際に計算してみると、繰り上がりがあったり、ケタがよくわからなくなったりと大変です。
そこで、本書で紹介している「もっとラクな計算方法」を使いましょう。今回は「きづく」のパートで紹介している「1%10%50%計算法」を使います。
「1%10%50%計算法」とは、次のように考える計算法のことです。
・10%→ケタを1つずらす
・50%→半分にする
では、上に沿って考えてみましょう。
数字に強い人は、まず10%を求める
では、早速次の計算をしてみましょう。
「%」の計算の中でも10%ならできますよね。ケタを1つずらすだけでOKですから。640の10%なので、64です。
次の計算にいきましょう。
「64の半分はいくつか?」ということです。それだけですね。32です。これも一瞬で計算できました。
ほら、もうわかりましたね。つまり答えは32円引きです。
なぜこのような計算ができるのか。
それは、「5%は、10%の半分」という考え方を使ったからです。
つまり、640円の10%を求めて、それを半分にしたので、「5%」をラクに求めることができたのです。32円の割引、あまりお得じゃないですね。しかし%の計算は、普通に計算するより早く、カンタンに感じたのではないでしょうか。
数字に強い人は、計算する前に「一歩立ち止まる」
このように、数字に強い人は面倒な計算は極力省きます。また、計算が面倒になりそうになったら、できるだけカンタンな計算になるように数字をほどよく調整してしまうのです。
数字に強い人はこういった柔軟な考え方をすることができる人です。逆に言えば、「数字に弱い人」は目の前にある面倒な数字に何の工夫もせずにそのまま立ち向かって撃沈してしまいがちです。
数字に強くなるためには、「数字を扱う前に、まず一歩立ち止まる」。これを心がけてみるとよいでしょう。
(本記事は『「数字がこわい」がなくなる本』の一部に加筆・調整・編集した原稿です)