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距離感のコントロールって大事
今日は「距離感のコントロール」について、お話したいと思います。
最近あらためて思うのですが、人間関係って、うまくいかなくなるときには大体、距離感に問題があるんですよね。
距離が近すぎると
うまくいかなくなることが多い
人間関係のしっくりこなさや、居心地の悪さ。そういうときって、ほとんどが「距離が近すぎる」ことが原因になっています。
よく「距離が近いほうが仲がいい」と思われがちですが、実はそうとは限らないんです。むしろ、近すぎることでストレスや不満が生まれやすくなるんですね。
「ウェットな人」が
ハマりやすい落とし穴
なかには、「仲間意識が強いほうがいい」とか「他人事より一体感が大事」と思い込んでいる人もいます。私はそういう方を、“ウェットな人”と呼んでいます。
もちろん悪いことではないのですが、ウェットすぎる関係性は、期待値がどんどん膨らんでしまう。そうなると、ガッカリしたり、怒りを感じたりしやすくなるんですよね。
距離が近いと
無意識に「期待」が生まれる
たとえば、「この関係性なら、これくらいしてくれるよね?」と思ってしまう。相手に口では言わなくても、心の中ではそう期待してしまう。
でも、相手がその通りに動いてくれなかったとき、不満やイライラが生まれてしまいます。そうやってネガティブな感情、いわゆる“陰性感情”が出てくるわけです。
「他人事」
くらいがちょうどいい
最初から距離があれば、「やってくれてありがとう」と自然に感謝できます。でも距離が近すぎると、「やってくれて当然」になってしまう。
だからこそ、人間関係がうまくいっていないと感じたら、「あ、ちょっと距離が近すぎたかも」と考えてみるのがオススメです。
仕事でもよくある
「距離感のすれ違い」
たとえば仕事でも、「たまに手伝うよ」くらいの距離感だったら気持ちよく関われたのに、「うちで一緒に働きましょう」となった瞬間、義務や責任が出てきて、なんだか居心地が悪くなることもあります。
そうなると、お互いの方針や期待がズレてしまってギクシャクしたり。これは「誰が悪い」というより、距離感の調整がうまくいってないだけの話なんです。
距離感の調整で
人間関係は変わる
人間関係がこじれたとき、私たちはつい「相手が悪い」「自分が悪い」とジャッジしたくなりますよね。でも、そうじゃないんです。単に距離感がズレているだけなんです。
だったら、距離をちょっと離せばいい。それだけのこと。相手が悪口を言ってきたとしたら、「あ、距離が近すぎるな」と思って、すっと一歩引けばいい。
いい・悪いではなく
「距離感」で見てみる
関係がこじれたとき、「いい人なのに」「悪い人だな」と評価してしまうと、その感情が後に引きずってしまうんですよね。
「これは距離感の問題なんだ」と一元化してしまえば、そこに余計な感情を挟まずにすみます。後腐れなく関係を整えることができるんです。
人間関係をラクにするヒント
距離感のコントロールさえできれば、余計なストレスや誤解のない、シンプルで気持ちのいい人間関係が築けます。
どこかでこじれを感じたときは、「距離、近すぎないかな?」と振り返ってみてくださいね。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。