
「麻布、54?」「桜蔭が56って、え…?」いま、中学受験界隈のSNSで偏差値に関する投稿が話題だ。これまで「80%偏差値」(合格可能性80%のライン)を重視していた中学受験塾大手SAPIXが、今後は「50%偏差値」(同50%
麻布が54、桜蔭が56!?
SAPIX「50%偏差値」の衝撃
中学受験ではこれまで、「合格可能性80%の偏差値」が主に使われてきた。これは、いわゆる「安全圏」を示すものだ。一方で、「50%偏差値」はまさに「合否が分かれるボーダー」意味し、受験生や保護者にとってよりリアルな目安として機能する可能性がある。
まずは、SAPIXが公表した有名難関校の50%偏差値を見てみよう。
麻布:54(80%偏差値は60)
武蔵:54(同58)
桜蔭:56(同63)
女子学院:54(同61)
雙葉:53(同58)
これらの数字に対してSNSでは、「数字のマジックすごい。50%偏差値にすると印象が変わる」「夢が広がってしまう…!」といった投稿が相次いだ。また、「最難関校の受験者数が減っているけど、50%偏差値を見てチャレンジする層が増えそう」という指摘もあった。
筆者は24年夏発売の『偏差値だけに頼らない中高一貫校選び2025』(朝日新聞出版)の編集統括をしたが、その中で24年度中学入試の特徴として、「男子御三家(開成・麻布・武蔵)」の志願者がそろって減少したことに触れた。
今年も難関校回避の傾向は続いており、男子御三家はもちろん、女子御三家(桜蔭、女子学院、雙葉)も全て前年度と比べて倍率が低下したと報告されている(日能研入試情報・25年1月23日報告版より)。
では、なぜ最難関校の受験率が低下したのか。