この15年間、貯蓄を投資し続けた米国人が、ほぼ遭遇したことのない状況がある。構造的なドル安に見舞われることだ。ドナルド・トランプ米大統領が宣言した「米国解放の日」の予期せぬ影響を考えると、これに慣れる必要はあるかもしれない。先週の相互関税発表を受け、ドルが主要通貨に対して急落したことで、ウォール街は不意を突かれた。市場には保護主義のせいで世界金融危機以降の米国の経済的優位が終焉(しゅうえん)を迎えるのではないかとの懸念が広がった。国際的な資産運用会社は、これまで米国資産の偏重が目立っていたが、高リターンをもたらす別の収益源を探す必要に迫られている。米国人投資家は長らく外国株を無視しても平気だったが、そのぜいたくはもう許されないだろう。