「自分も、もっと数字に強ければ…」
日々の買い物や職場で「数字コンプレックス」を感じたことはないだろうか。「算数や数学は大キライ…」「できるだけ見たくない…」中には「数字はもう諦めた」という人もいるだろう。
しかし実は、「数字に強い」は生まれつきの才能ではない。数字に強い人は、無意識のうちに九九などの「頭を使わないラクな計算」を使って、面倒な計算をうまくサボっているのだ。
新刊『「数字がこわい」がなくなる本』は、数字に強い人の脳内を解明した一冊。数字に強い人が無意識にやっている「頭を使わないサボり計算テク」を知れる本書の中から、今回は「数字のとらえ方」について紹介したい。

「5000個売れた」。売れている?
みなさんは、これ、どのように考えますか? ここで数字に弱い人は「5000個も売れたんだから、きっとたくさん売れたんだろう!」と思ってしまうかもしれません。
しかし、数字に強い人は、ここで「大きい数字をちいさくして」「くらべる」ことで、数字うまく掴もうとします。今回はその方法について、考えていきましょう。
数字に強い人は「くらべて」「ちいさくする」
新製品を5000人が購入してくれたと聞いたら、「それは多いのか? それとも少ないのか?」となってしまうかもしれません。確かにパッと5000と聞くと多そうですが、でも実は、何と比べるかによって小さくもなりえます。
たとえば、数字に強い人は、「5000個」という数字を聞いた時、たとえば次の2つを「くらべて」から数字と向き合います。
B:100,000人(十万人)の規模がある市場で、5,000個売れた。
ここで、A、Bいずれのケースにおいても、「市場全体を100人と仮定」してくらべてみましょう。今度は「ちいさくする」わけです。0を取るだけでいいですから、簡単ですね。
B:100人の規模がある市場で、5個売れた。
AとBの差がよりわかりやすくなりましたね。Aは既に市場の「半分」に届いているので「すでに好調」と言えるかもしれませんが、Bはまだ「100人のうち5人が買ってくれた」状態で、まだまだ伸びしろがありそうです。100人中5人なら、残りの95人にアプローチできると考えられるからです。これが「割合」や「比率」を意識することの強みといえます。
「数字に強い人」は、数字をそのまま受け取らない
いかがでしょうか。当たり前のように思えるかもしれませんが、数字に強い人と弱い人を分けるポイントの一つは、この「ちいさくする」「くらべる」の力です。意外と見落としている人は多いです。
大きすぎる数字は、我々の実感を超えてしまいがちです。しかし、数字に強い人は、自分の実感の湧く人数にたとえて考えることができるため、具体的なイメージがわきやすいのです。
つまり、数字に強い人は「数字をそのまま受け取る」のではなく「数字をちいさくし、自分のフィールドに落としこむ」術を身につけているのです。大きい数字が出てきたときは、まず自分が理解しやすい数字に変換するクセをつけてみてください。
(本記事は『「数字がこわい」がなくなる本』に関する書き下ろし原稿です)