「自分も、もっと数字に強ければ…」
日々の買い物や職場で「数字コンプレックス」を感じたことはないだろうか。「算数や数学は大キライ…」「できるだけ見たくない…」中には「数字はもう諦めた」という人もいるだろう。
しかし実は、「数字に強い」は生まれつきの才能ではない。数字に強い人は、無意識のうちに九九などの「頭を使わないラクな計算」を使って、面倒な計算をうまくサボっているのだ。
新刊『「数字がこわい」がなくなる本』は、数字に強い人の脳内を解明した一冊。数字に強い人が無意識にやっている「頭を使わないサボり計算テク」を知れる本書の中から、今回は「数字のとらえ方」について紹介したい。

大阪万博の来場者想定「2820万人」。どれくらい?
2025年4月13日~10月13日の184日間にわたって開催される大阪万博が、大変話題になっています。ニュースなどでは、「来場者数は2,820万人を見込んでいる」と報じられていますが、この数字を聞いてもピンとこない方も多いかもしれません。
数字に強い人は、こういった大きい数字を把握するのも得意です。具体的には、『「数字がこわい」がなくなる本』で紹介している「ちいさくする」のテクニックを使って、数字をわかりやすく変えています。
今回は、一日あたりの来場者数を具体的にイメージできるように計算してみましょう。
2820万人を、「1日あたり」に「ちいさく」する
まず、「2,820万人 ÷ 184日」で1日あたりの平均を出します。ただ、このまま割り算をするのはちょっと面倒ですから、ざっくりと四捨五入(上から3ケタ目)して2,800万人 ÷ 180日にしてみます。ここからさらに約分すると、「2,800万÷180=1,400万÷90=140万÷9」と簡単な式に変換できます。
140万÷9は約15.5万ですので、1日約15万~16万人前後とイメージしやすくなりますね。
このように、複雑な数字を素早く、かつおおよその規模感をつかみやすい数字に「ちいさくする」のは、数字を扱っていく上で非常に役立つスキルです。実際に「1日約15万人」と分かれば、2820万人よりはだいぶマシですね。
ちなみにこの数字を「くらべて」みましょう。ディズニーランドの1日あたりの来場者は、約7万人と言われているので、その2倍以上の来客数が必要になりそうです。
数字に強い人は「ちいさくして」考える
数字に強い人と弱い人を分けるポイントは、大きい数字を見たら「ちいさくする」ことにあります。
数字に強い人は、大きな数字やデータが出てきても、まず自分が扱いやすいサイズに「ちいさく」して、ざっくりとした数字でも素早く変換します。一方、数字に弱い人は「2,820万人」という数字だけを見て、「とにかく多い!」と圧倒される傾向があります。
ビジネス上でも、市場規模などの膨大な数字を、ちいさく、分かりやすい単位に直してみる。すると、会社や個人の行動にも落とし込みやすくなります。「15万人の人が毎日訪れるイベント」なら、交通インフラや物販・飲食店の運営計画も具体的に考えやすくなりますよね。
大阪万博の数字が出てくるニュースを耳にしたら、ぜひこんな計算をしてみてください。数字に強い人への第一歩が、そこにあるかもしれませんよ。
(本記事は『「数字がこわい」がなくなる本』に関する書き下ろし原稿です)