ジョニー・キム氏(41)はその半生でアメリカンドリームを3回も成し遂げた。かつて米海軍特殊部隊に所属し、その後、ハーバード大学医学大学院を卒業。そして4月上旬、宇宙飛行士として宇宙に飛び立った。小説家のウェズリー・チュ氏がキム氏――3人の子どもの父親で、海軍パイロットでもある――を初めて知った時、まず心に浮かんだのは畏敬の念だった。その次にこう思った。「自分の母親が彼の母親と友達じゃなくてよかった」その経歴が人々の知るところとなり、キム氏は世界に励みを与える存在になった。しかしその経歴を見て、自分と比較せずにはいられない多くの人々にとって、キム氏はわずかながら別の感情を呼び起こした。絶望感だ。アジア系米国人のコミュニティーでは特にそうで、韓国からの移民の息子であるキム氏は英雄として称賛されると同時に、冗談半分だが「アジア系の子ども全員にとってこれ以上ない悪夢」として懸念されている。
優秀すぎて話題の米宇宙飛行士、どんな人?
海軍特殊部隊出身で医師のジョニー・キム氏、その経歴は世界に励みと軽い絶望感をもたらす
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