今月、米中の間で関税の応酬が激化する中、中国共産党の機関紙・人民日報は、米国との長期にわたる闘いに備えるよう国民に呼びかけた。中国の指導者らはこの闘いで勝利を約束している。「米国の包括関税はわれわれに打撃を与えるが、『天が落ちてくることはない』」と、人民日報の1面の論評は述べている。中国は強く、党に信頼を置くことで「われわれは課題を機会に変える」という。貿易戦争が激化する中、中国指導部は国民に愛国心を呼びかけている。この戦略は中国の経済問題の多くを米国のせいにしようとするものだ。この手法は党とその指導者の習近平国家主席の権力を強化する可能性がある。一方で裏目に出る可能性もある。「これはもろ刃の剣だ」とシンガポール国立大学の政治学者、ジャ・イアン・チョン(莊嘉穎)准教授は述べた。困難な時期に党への政治的支持を集めることに焦点を当てれば、それでも状況が改善しない場合は「党が非難される」という。
愛国心あおる中国、米に貿易戦争の責任転嫁へ
共産党指導部はイデオロギー闘争に向け国民を鼓舞、裏目に出る可能性も
有料会員限定
あなたにおすすめ