「頑張っているのに、結果がついてこない」「必死に仕事をしても締め切りに間に合わない」同僚は次々と仕事を片付け、成果を出し、上司にも信頼されているのに、「なんでこんなに差がつくんだ……」と自信を失ったとき、どうすればいいのでしょうか?
ビジネススキルを発信するTikTokのフォロワーが20万人を超え『コンサル時代に教わった 仕事ができる人の当たり前』の著者である「にっしー社長」こと西原亮氏に教えてもらった「超優秀な人が秘かにしている仕事のコツ」を本記事で紹介します。(構成/ダイヤモンド社・林拓馬)

たった「2文字」が、優秀な人とそうでない人を分ける
優秀な人とそうでない人の違いは、「論点」を適切に設定できる力があるかどうかにあると私は考えています。
ここでいう「論点」とは、「論じるべきポイント」、つまり「今まさに解決すべき問題」や「焦点を当てるべき点」のことを指します。
たとえば、「今日私、仕事でミスちゃったかも…」と反省している人がいたとしても、「いや、そういうことじゃなくて、そもそもあなた遅刻してきてるよね?」というように、本質からズレたことを反省しているケースがあります。
こうした「ズレ」は仕事の現場でも頻繁に見受けられます。
実際、ある会社で「人を採用してもすぐ辞めてしまう」という問題を抱えているケースがありました。
そのとき社内では「どの採用媒体を使えば人が集まるか?」という話をしていたのですが、私としては「いやいや、そもそも辞めてしまうのだから、辞めない仕組みを作ることが先じゃないか」と指摘しました。
まさにここに、論点を設定できるかどうかという点が、仕事ができる人とそうでない人を分ける重要な基準となっているのです。
ただ、会社の中では部長などの上司からの圧力もあります。
それでも、「この採用媒体でいこう」と言われたとき、それを鵜呑みにするのではなく、一度立ち止まって「部長、すみません。そもそも採用の話ではなく、人の評価や給与制度をもっと明確にしていくといった根本的な議論が必要ではないでしょうか?」と言える人こそが、本当に仕事ができる人だと思うのです。
では、どうすればそのような「論点」を見つけることができるのでしょうか。
それはとてもシンプルなことで、「問題の本質を見極めること」に尽きます。
たとえば、「人が辞めました。だから人を募集しましょう」という考え方は、コインの表と裏のように見えて実は論点がズレています。
本来は、「なぜ人が辞めたのか?」という点に立ち返るべきなのです。
まず、現象が起きた事実に対して「なぜ?」と問いかけることが重要です。
売上が減少した場合も同様です。
いきなり「広告を打ちましょう」と考えるのではなく、まず「なぜ売上が減少したのか?」という問いを立てること。
この「なぜ?」という問いを立てた瞬間に、論点が変わってくるのです。
これはプライベートでも同じです。
たとえば「なぜうちの子はテストで点が取れないのか?」という原因を突き止めることなく、いきなり塾に通わせるのは適切ではありません。
実は子どもが本当は野球をやりたかっただけで、勉強へのモチベーションがそもそもなかったというケースもあるでしょう。
であれば、「野球をやらせたうえで、毎日2時間だけ勉強する」という方法を取れば、意外と成績が上がるかもしれません。
このように、現象に対して「なぜ?」という問いを立てることなく、そのまま行動に移してしまう人は、論点を適切に設定できていない人だと言えます。
ですから、皆さんが何か問題に直面したときには、まず解決策を考える前に「なぜ?」という問いを自分に投げかけてみてください。
そうすることで、論点を正しく設定し、より本質的な問題解決へとつながっていきます。
ぜひ、まずはそこからスタートしてみてください。
(本記事は『コンサル時代に教わった 仕事ができる人の当たり前』の著者、西原亮氏が特別に書き下ろしたものです)