スキップできない…不器用すぎる錦織!演じた吉沢亮が見つけた「下手なスキップのコツ」〈吉沢コメント付き・ばけばけ第38回〉『ばけばけ』第38回より 写真提供:NHK

日本人の朝のはじまりに寄り添ってきた朝ドラこと連続テレビ小説。その歴史は1961年から64年間にも及びます。毎日、15分、泣いたり笑ったり憤ったり、ドラマの登場人物のエネルギーが朝ご飯のようになる。そんな朝ドラを毎週月曜から金曜までチェックし感想や情報をお届けします。朝ドラに関する著書を2冊上梓し、レビューを10年半続けてきた著者による「読んだらもっとドラマが見たくなる」連載です。本日は、第38回(2025年11月19日放送)の「ばけばけ」レビューです。(ライター 木俣 冬)

スキップと絵

 朝、タッタタッタと何か音がして、目が覚めるフミ(池脇千鶴)。

 家の外の共同流し場で、トキ(高石あかり、「高」の表記は、正確には「はしごだか」)がスキップの練習をしている。

 西洋の人の歩き方で上機嫌なときに行うものだと、トキはフミにもスキップを教える。

「西洋の人でもないし、上機嫌でもないし」とフミが困惑していると、サワ(円井わん)が現れた。

 サワもトキのマネをしてやってみると、すぐいい感じに軽やかにできる。

「うまいうまい」「私のマネ完璧」と褒めつつ、トキのマネがうまくても本格的なスキップにはならないと言う。

「正しいスキップ教えてよ」とサワは不満気。

 トキはうまくできない。サワはどんどん独自のセンスでいい感じに跳ねる。

 勝手なステップではしゃぐ3人から、タイトルバックへ。

 スキップがうまくできなくても「落ち込まないで、諦めないで♪」の気分になる。

 トキとサワはいつだって何か問題にぶちあたると、議論を深めることなく、物事をあやふやにして笑ってやり過ごしている。面倒だからか、考えても仕方ないと思っているのか、万が一対立して険悪になることを避けているのか、真意は不明。

 これがいいことなのか、悪いことなのかも定かではない。いいときもあるし、よくないときもあるだろう。スキップに関してはそんなに深く追求しても仕方ないので、好きにはしゃいだほうが吉だとは思う。

 快適な意思伝達のために、ヘブン(トミー・バストウ)は絵によるコミュニケーションを学び、次に食べたいのはパイナップルだと絵に描いて、トキに渡す。

 それを錦織(吉沢亮)に渡して質問するトキ。

「もう一度お名前を伺ってもよろしいですか」