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【精神科医が教える】「自分には才能がない」は勘違い? あなたの可能性を閉ざす“思い込み”の正体Photo: Adobe Stock

才能がない…と思ったときに考えてほしいこと

今日は、「自分には才能がない」と感じてしまったときに、どう考えたらラクになるかというお話をしたいと思います。

いろいろ目標に向かって頑張っているけれど、「自分には才能がないな」と思って落ち込んでしまう。だけど、諦めることもできず、悔しい思いを抱えている。そんな人は、きっと少なくないと思います。

でも実は、ほとんどの人は「才能がない」と感じるものなんです。なぜかというと、自分よりも才能がある人を目標にしているからです。比べる相手が高すぎると、自分が劣っているように見えてしまうのは自然なことですよね。

「才能」の定義が狭すぎると、つらくなる

「才能がない」と感じてしまう人の多くは、自分の才能をものすごく狭い範囲で定義してしまっています。しかも、その範囲内での活躍を強く期待してしまう。

たとえば、フィギュアスケートで金メダルをとることだけを「才能がある」とするなら、それ以外のすべての人が「才能がない」ということになってしまいます。でも、本当にそうでしょうか?

自分に合った場所で、才能は輝く

たとえば、フィギュアスケートで金メダルをとれなくても、教えるのが上手で多くの選手を育てている人もいます。教室を開いたり、地域の子どもたちに夢を与えたりすることだって立派な才能の発揮です。

才能がないのではなく、今いる場所が自分の強みと合っていないだけかもしれません。

「夢のかたち」を柔軟に変えていい

夢を一つだけに決めてしまうと、そこに向かっている途中でつらくなることがあります。だんだん楽しめなくなって、やがて辞めてしまう……。そうならないためには、夢のかたちを柔軟に変えていくことも大切です。

たとえば、私は精神科医ですが、かつて小説家を夢見ていました。いまでもときどき書きますが、長編は向いていないなと感じます。だったら短編はどうか? あるいは、自分の専門である精神科の知識を活かして、人生がラクになる考え方を伝えるのも一つの表現の形ですよね。

組み合わせ次第で、自分の強みは活かせる

今の時代は、「組み合わせ技」がとても大事です。たとえば、精神科医としての経験、キャッチーな文章を書く力、話す力。それらを組み合わせれば、自分にしかできないアウトプットになります。

しかも、今はノートやSNSなど、発表できる場所がたくさんあります。自分が思ってもみなかったところで評価される可能性だってあるんです。

楽しみながら、自分の才能を育てよう

「才能がない」と思ってしまう前に、いろんな可能性を試してみましょう。

その過程自体が楽しいですし、うまくいくことが見つかるかもしれません。なにより、「自分が伸びている」と実感できるとき、人は前向きになれるものです。

自分の才能を信じて、広く柔軟に探してみて

せっかく夢があるなら、「才能がない」と嘆くよりも、その夢のかたちを少し変えてみたり、やり方を工夫してみたりしながら、楽しい過程を味わっていきましょう

結果は後からついてきます。大切なのは、自分に合ったやり方で、自分らしく挑戦することです。

※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。