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流行は繰り返されるもの
今日は、「時代は巡る」というお話をしたいと思います。
どんな物事も、流行も、時代とともにぐるぐる回っていきます。一度は「時代遅れ」とされたものが、またふたたび脚光を浴びる。これは本当にいろんなジャンルに共通しています。
たとえば髪型。私は普段、短髪にしているのですが、若いころは「ソフトモヒカン」が流行っていました。2002年のサッカー・日韓ワールドカップ(W杯)で、イングランド代表のデービッド・ベッカム選手がソフトモヒカンにしていて、日本で「ベッカムヘア」として若者の間で大流行したのです。
でも今は、若い人の間では以前ほど短髪は見かけないように思います。やや長めで、センター分けのような髪型が多くなっていますよね。これは1980年代後半から90年代前半くらいの頃の髪型にもどこか似ていて、「また巡ってきたな」と感じます。
ファッションもメイクも「周期」がある
服装も同じです。私が若かった頃はピチッとした服が主流でしたが、今はダボっとしたシルエットの服がトレンドです。これも、タイト⇄ルーズの周期がある証拠ですね。
女性でいえば、スカートの長さやメイクの傾向もそうです。色白が流行る時代もあれば、色黒がもてはやされる時代もある。
髪を染めるのが当たり前だったかと思えば、ナチュラル志向に戻る時代もある。こうした見た目の部分だけでも、時代の流れは繰り返しているのです。
信念もまた、時代とずれることがある
外見だけでなく、価値観や信念もまた、時代と合ったり離れたりを繰り返します。たとえば今のアメリカでは、ダイバーシティ・エクイティ・インクルージョン(DEI=多様性、公平性、包摂性)をめぐって、価値観が揺れ動いています。
そんな中で、「自分はこうありたい」という信念を持って行動していても、時代とズレてしまうこともあるでしょう。でも私は、それでも構わないと思っています。
迎合しなくてもいい理由
ビジネスとしてやっているのであれば、時代の流れを読んで「合わせていく」という判断も必要でしょう。でも、もし自分のやっていることが商売ではなく、自分自身の信念や表現の延長であるならば、無理に迎合する必要はありません。
むしろ、自分が信じていることをコツコツと続けていくことが、やがて時代が巡ってきたときに、大きな力になります。
投資にたとえると「ドルコスト平均法」
これは投資の世界で言う「ドルコスト平均法」に似ています。その時々の相場を気にして売り買いするのではなく、一定額を淡々と積み立てていくことで、リスクを分散しながら着実に資産を築いていく方法です。
短期的には浮き沈みがあるけれど、長期的に見れば「ほとんど損しない」。これは信念をもって行動することにも、通じる考え方だと思います。
ズレていても、コツコツやっていこう
自分のやっていることが「時代遅れ」だと感じて、恥ずかしくなったり、寂しくなったりすることもあるかもしれません。
でも、それでも大丈夫です。時代は巡ります。自分が「これは正しい」と信じていることなら、コツコツと続けていけば、最終的にはプラスになるはずです。
あなたの信じる道を、安心して進んでいきましょう。時代は必ず、また巡ってきます。
※本稿は『精神科医Tomyが教える 1秒で不安が吹き飛ぶ言葉』(ダイヤモンド社)の著者による特別原稿です。