小さな会社や個人商店が今すぐ売上をあげようと思った時、どの販促ツールから作ればいいのか?『「A4」1枚チラシで今すぐ売上をあげるすごい方法 「マンダラ広告作成法」で売れるコピー・広告が1時間でつくれる!』(ダイヤモンド社刊)では、販促コンサルタントの岡本達彦氏が、今すぐ売上をあげるために必要な「A4」1枚チラシを誰でもつくれる「マンダラ広告作成法」という新しい販促手法を紹介。小さな会社が、今すぐ売上をあげられるすごい方法がわかると好評です。前回の連載に続いて、さらに全10回にわたり書き下ろしの記事を公開します。

「安い=買いたい」時代は、もう終わった
販促コンサルタントの岡本達彦です。
「うちは他より安いのに、なぜお客さんが来ないんだろう?」
「今だけ半額って書いてるのに、反応がゼロなんです」
こんなふうに、価格を下げても人が動かないという相談をよく受けます。
実は今、価格訴求だけでは反応しにくい時代に入っています。その背景には、情報過多と不信感の時代ならではの購買心理の変化があります。
一昔前は、「安ければ売れる」という時代が確かにありました。でも現在、消費者はこう思っています。
「なぜ、そんなに安いの?」
「安かろう悪かろうじゃない?」
「この価格、本当にお得なのか?」
ただ安いだけでは、不安の方が勝ってしまうのです。
人は価格ではなく「納得」で買う
実は人が買うとき、見ているのは金額そのものではありません。「この価格に対して、得られる価値は納得できるか?」というバランスで判断しています。
たとえば、
・1000円のラーメンでも「素材と手間にこだわっている」と聞けば納得
・500円のカットでも「スタイリスト歴20年」とあれば安心して試せる
・同じ1万円でも「30分」で終わる施術より、「90分丁寧な施術」の方が価値を感じる
つまり、高いか安いかではなく、納得できるかどうかが鍵なのです。
「価格だけ」を伝える広告が陥る
3つの罠
①他社と価格競争に巻き込まれる
→ 価格を下げれば、他社も下げてくる。終わりなき値下げ合戦に。
②安い理由が伝わらないと、逆に不安を与える
→ 「なぜこんなに安いのか?」という疑念が、購買のブレーキに。
③ 「価格だけ見て比較する人」ばかり集まってしまう
→ リピーターになりにくく、信頼も築けない。
では、どうすれば買いたくなる価格の伝え方ができるのか?
鍵は、「価格」ではなく、「価値をどう言語化するか」にあります。
価格に納得してもらう
3つの販促コピー術
①【比較訴求】「この価格でここまでやるの?」と思わせる
例:
・他店では別料金の●●が、すべて込みで●●円
・通常なら2回かかる施術が、1回で完結(5000円)
「価格の安さ」ではなく、「内容の濃さ」に驚かせる表現を。
②【リスク低減】「まずは体験」でハードルを下げる
例:
・初回限定で、実質無料の0円体験
・満足できなければ全額返金
この価格なら損しないと思わせることで、購買行動が起きやすくなります。
③【ストーリー化】価格の理由を語る
例:
・「広告を出していないから、この価格が実現しました」
・「創業以来、地域に寄り添う価格を守り続けています」
価格にストーリーが乗ると、人は納得し、共感し、応援したくなるのです。
「この価格には理由がある」が伝われば
人は動く
広告の本質は、「売ること」ではなく「納得してもらうこと」です。
だからこそ、価格だけで勝負するのではなく、価格の裏にある価値や想いを丁寧に伝えることが、購買行動につながります。
価格は主役ではなく
信頼を補強する最後の一言
価格は、最初に押し出すのではなく、共感 → 納得 → 安心の流れを経たあとに、「この価格なら納得できる」と思わせる役割で機能させるのがベストなのです。
株式会社アカウント・プラニング代表取締役
販促コンサルタント
広告制作会社時代に100億円を超える販促展開を見て培った成功体験をベースに、難しいマーケティングや心理学を勉強しなくてもアンケートから売れる広告を作る広告作成手法を日本で初めて体系化する。業界を問わず、お金をかけないで簡単にでき、即効性もあることから、全国の公的機関、経済団体、フランチャイズ本部からセミナー依頼が急増し、社内に仕組みとして取り入れたいという会社からのコンサルティング依頼は後を絶たない。著書にアマゾン上陸15年「売れたビジネス書50冊」にランクインし、販促書籍のベストセラーとなった『「A4」1枚アンケートで利益を5倍にする方法 チラシ・DM・ホームページがスゴ腕営業マンに変わる!』(ダイヤモンド社)などがある。