小さな会社や個人商店が今すぐ売上をあげようと思った時、どの販促ツールから作ればいいのか?『「A4」1枚チラシで今すぐ売上をあげるすごい方法「マンダラ広告作成法」で売れるコピー・広告が1時間でつくれる!』(ダイヤモンド社刊)では、販促コンサルタントの岡本達彦氏が、今すぐ売上をあげるために必要な「A4」1枚チラシを誰でもつくれる「マンダラ広告作成法」という新しい販促手法を紹介。小さな会社が、今すぐ売上をあげられるすごい方法がわかると好評です。この連載では、全10回にわたり書き下ろしの記事を公開します。

「伝え方」や「見せ方」がズレているだけ
販促コンサルタントの岡本達彦です。
「この商品、正直あんまり魅力がないかも…」
「頑張って宣伝しても反応ゼロ。やっぱり売れない商品なんだろうか…」
そんな風に思ったことはありませんか?
でも、ちょっと待ってください。売れない商品なんて、本当は存在しないかもしれません。売れないのではなく、「伝え方」や「見せ方」がズレているだけというケースが圧倒的に多いのです。
「商品に問題がある」と
決めつける前にやるべきこと
反応が出ないと、すぐにこう考えがちです。
「やっぱり価格が高すぎた」
「今どきこの商品はウケない」
「市場が悪い、タイミングが悪い」
でも、実際に多くの現場で見てきたのは、「売れない」のではなく「魅力が伝わっていない」だけという事例ばかりでした。
つまり、商品を変える前にやるべきなのは、「広告で商品を再発見すること」です。
広告は、商品開発の最終工程ではない
多くの人が誤解しています。広告とは、「完成した商品を、どう売るかを考える段階」と思っていませんか?
でも、実際には、広告づくりのプロセスには、
・誰に届けるかを明確にする
・どんな価値を感じてもらうかを考える
・お客様にどう言えば行動してもらえるかを試行錯誤する
といった、商品そのものの魅力を深掘りするプロセスが含まれているのです。
つまり広告は、商品を売るためだけでなく、「この商品って何が良いんだっけ?」を見つけ直すツールでもあるのです。
魅力を再発見するための3つの逆転発想
①「使う人」を変えてみる
同じ商品でも、ターゲットが変わればまったく違う価値になります。
例:
・高齢者には使いにくい商品 → 学生にとっては便利
・主婦に刺さらない → 法人の福利厚生ならヒット
「誰に売るか?」をズラすだけで、売れないが売れるに変わることがあるのです。
②「使い方」をズラしてみる
商品は、想定外の使い方で売れることがあります。
例:
・余ったカーテン生地 → ペット用マットとして人気に
・工具メーカーの軍手 → BBQやキャンプ用グッズとして売上アップ
新しい用途を広告で提案することで、まったく別の価値が生まれます。
③「感じる価値」を掘り下げる
売れない理由は、機能はあるのに感情が動いていないことが原因です。
例:
・肌にやさしい石鹸 → 赤ちゃんにも使えるから、安心して抱きしめられる
・静音設計の掃除機 → 子どもが寝ている間に掃除しても起こさないからママの味方
機能ではなく、「その先の感情」を言語化することが突破口になります。
「広告を作る」という行為は、
売れ筋を見つける作業でもある
広告とは、単に「モノを紹介する」作業ではありません。
「商品の本当の価値を見つけ出し、それを相手にどう伝えるかを組み立てる作業」です。
言い換えれば、広告=価値の翻訳です。
だからこそ、広告を考えるプロセスを通じて、「この商品には、こういう可能性があったのか!」という発見が生まれるのです。
売れるかどうかを決めるのは、
商品そのものではなく「伝え方」
「売れないかも…」と思ったら、商品にレッテルを貼るのではなく、「まだ見せていない価値があるのでは?」と自問すること。
そして、それを見つける最も実践的な方法が、「A4」1枚チラシを作ってみることです。
この連載では、引き続き「どうすれば、広告の素人でも売れるチラシが作れるのか?」をテーマに、具体的な考え方・作り方を紹介していきます。
株式会社アカウント・プラニング代表取締役
販促コンサルタント
広告制作会社時代に100億円を超える販促展開を見て培った成功体験をベースに、難しいマーケティングや心理学を勉強しなくてもアンケートから売れる広告を作る広告作成手法を日本で初めて体系化する。業界を問わず、お金をかけないで簡単にでき、即効性もあることから、全国の公的機関、経済団体、フランチャイズ本部からセミナー依頼が急増し、社内に仕組みとして取り入れたいという会社からのコンサルティング依頼は後を絶たない。著書にアマゾン上陸15年「売れたビジネス書50冊」にランクインし、販促書籍のベストセラーとなった『「A4」1枚アンケートで利益を5倍にする方法 チラシ・DM・ホームページがスゴ腕営業マンに変わる! 』(ダイヤモンド社)などがある。