語彙力を育てる最もシンプルで効果的な方法
語彙力を本質的に伸ばすために必要なのは、「言葉にふれる頻度」と「文脈で理解する姿勢」です。つまり、日々、文章を読むこと。これに尽きます。
小説、新聞、評論、コラムなど、ジャンルを問わず多くの文を読む中で、「こういう場面で、こういう表現が使われるのか」と“体で覚える”感覚を積み重ねていくのです。
読む量が増えると、「語感」が磨かれる
たとえば、「巧妙」「精緻」「緻密」といった言葉は、どれも似たような意味に思えるかもしれませんが、実際には使いどころやニュアンスが微妙に異なります。
こうした違いは、辞書ではなく、たくさんの文章の中で“音”や“雰囲気”として出会い、感じることでわかってきます。語彙力とは、「語感」を養う力でもあるのです。
語彙力が伸びると、読解も表現もラクになる
語彙力が高まれば、読むスピードが上がり、読解の精度も向上します。また、作文や面接といった「自分の言葉で考えを伝える場面」でも、より的確で説得力のある表現ができるようになります。
つまり、語彙力は受け身の知識ではなく、自分の思考を前に進める“ツール”になるのです。
あなたの世界を広げてくれる「言葉の器」を育てよう
語彙力とは、世界の見え方を広げてくれる「レンズ」であり、自分の気持ちや考えを表現するための「器」でもあります。
同じ出来事を前にしても、持っている言葉の数や質によって、受け取り方はまるで違ってきます。語彙を増やすことは、世界をより深く理解し、自分らしく生きる力を養うことでもあるのです。
だからこそ、あなたが今日読む一文一文が、明日のあなたの世界を変えてくれる――そんな気持ちで、一つひとつの言葉と丁寧に向き合ってみてください。
※本稿は、『成績アップは「国語」で決まる! 偏差値45からの東大合格「完全独学★勉強法」』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。