この連載は、『医師が教える 子どもの食事 50の基本』の著者で、赤坂ファミリークリニックの院長であり、東京大学医学部附属病院の医師でもある伊藤明子先生によるものです。テレビなど多数のメディアに出演されている信頼度の高い人気の医師です。
本書の読者からは、
「子を持つ親として、食事の大切さがよくわかった」
「何度も読み返したい本!」

といった声がたくさん届いています。不確かなネット情報ではなく、医学データと膨大な臨床経験によってわかった本当に子どもの体と脳によい食事。毎日の食卓にすぐに取り入れられるヒントが満載です。今回は子どもとお菓子について解説します。
※食物アレルギーのある方は必ず医師に相談してください。

【小児科医が教える】甘いお菓子を毎日食べる子。成長後に現れる「中毒症状」とは?Photo: Adobe Stock

甘いお菓子が、スマホ中毒、ネット中毒の入口になる

 ドーパミンという用語、一度は聞いたことがあると思います。
 ドーパミンは脳の神経伝達物質のひとつで、「気分や行動」「学習や記憶」に欠かせないもの。大変重要な役割があります。

 糖を摂りすぎると、このドーパミンの働きが落ちてしまうことがわかっています。

 糖の多い甘いものをいつも食べていると、ドーパミンが報酬系に分泌されて「一瞬の幸せ感」を感じます。その後も繰り返し「一瞬の幸せ感」を味わいたくなって、さらに多くの甘いものがほしくなります。

 するとどんどんドーパミンの分泌が増加して、より多くの甘いもの、あるいはより強い刺激を求めるようになっていきます。

 そして、それが甘いものに対する中毒だけでなく、ほかの中毒(スマホ中毒、ネット中毒、薬物中毒など)にもつながりやすくなっていくのです。[*1]

 ですから、なるべく甘いものを食べる習慣は減らしていけると良いですね。

 おやつをさつまいも、かぼちゃ、くだもの、ナッツ、豆類、するめ、酢昆布などに変えるほか、習い事や遊びといったことで報酬系を刺激するのも一案です。

おやつ時間におすすめのメニュー!

 おやつ時間におすすめの、アボカドを使ったレシピをご紹介します。おやつ時間は栄養補給タイムととらえて、甘くないものを出してみましょう。

◆たっぷりアボカドディップ◆

材料(2人前)
● アボカド(大きめ) …… 1個
● 玉ねぎ …… 1/5個程度
● すりゴマ(白) …… 大さじ2
● ねりゴマ …… 大さじ1
● ごま油 …… 大さじ1
● レモン汁 …… 小さじ2
● 塩、コショウ …… 適宜

作り方
1
玉ねぎをみじん切りにする。

2
アボカドを半分に切り、種を取り除く。
皮にそってスプーンなどで実を繰り出し、器に入れたら、
スプーンなどですりつぶす。

3
21と、すりゴマ、ねりゴマ、ごま油、レモン汁、塩、コショウを入れて
混ぜたらできあがり。

【具のアイデア】
野菜スティックはにんじん、大根、セロリ、パプリカ、きゅうりなど、お好みで。

【アレンジ】
免疫力をアップさせたいときは、すぐき漬けを混ぜるのがおすすめ。さらに食物繊維たっぷりの具材につけて食べましょう。

 子どもが自分で作れるくらいかんたんです。ふだんあまり野菜を食べない子も興味津々になりますよ!

(本原稿は伊藤明子著『医師が教える 子どもの食事 50の基本から一部抜粋・編集したものです)

*1
https://news.umich.edu/high-sugar-diet-dampens-release-of-dopamine-triggering-overeating/#:~:text=ANN%20ARBOR%E2%80%94Everyone%20knows%20it,molecular%2C%20cellular%20and%20developmental%20biology