新NISAやiDeCoで初めて投資信託を買った人が増えている。投資信託は資産づくりの強い味方ではあるものの、仕組みやルールをわかっていないと損をしてしまうことも。せっかくの非課税制度なのだから、それ以外で損してしまったらもったいない。新NISAブームに乗って、とりあえず始めてみた人も、そろそろ投資信託の正しい知識を身につけて、万全の態勢で臨もう。今回は『一番売れてる月刊マネー誌ザイが作った投資信託のワナ50&真実50改訂第2版』からインデックス型投資信託に潜むワナを紹介する。

インデックス型を買うなら信託報酬で選べ
でもほったらかしはNGだ
指数への連動を目指すのがインデックス型だ。指数とは市場全体の動きを表すもので、日本株なら日経平均株価やTOPIX、米国株ならS&P500やダウ平均株価などが代表的だ。指数を見ているだけで投信の値動きがわかり情報も得やすい。そのインデックス型に潜むワナとは何か?
まず、投資先が同じ投信の中からインデックス型を選ぶなら、運用コストである信託報酬が最も低い投信を選ぶべきだ。それは一度に買って長期で持つにしても、少額ずつ積立をするにしても同じだ。
たとえば日経平均との連動を目指すインデックス投信の信託報酬と運用成績を比較すると、信託報酬の低い投信のほうが、運用成績が良好なのだ。
そして、低コストのインデックス型を選んだとしてもそのまま放置してはいけない。
「最も低コストのインデックス型を選んだのにどうして?」こう思った人も多いだろう。
その理由は、最も信託報酬が低い投信を選んだとしても、それは買った(積立を開始した)時点での話で、それ以降に信託報酬がさらに低い投信が新たに登場している可能性があるからだ。投信業界も、運用コストの引下げ競争が行われている。
信託報酬がより低い投資信託がないか定期的にチェック
0.2%以上の差があったら乗り換えも検討
下の表は低コストのインデックス型シリーズの最新の信託報酬だ(2025年3月末時点)。この表以外にも、販売会社が野村證券に限られるが、先進国株型で、信託報酬が0%の「野村スリーゼロ先進国株式投信*」が20年に設定され業界に衝撃を与えた。*信託報酬0%は2030年12月31日まで、それ以降は0.11%。

インデックス型の成績には信託報酬の影響が大きいことを考えると、信託報酬がより低い投信が設定されていないかを定期的にチェックすることが重要だ。大幅に信託報酬が低い投信があれば、乗換えも検討すべき。
ただし0.1%程度の差なら、過剰に神経質になる必要はない。0.2%以上の差となると長期では運用成績に無視できない影響が生じる。より低い投信に乗換えよう。
考えてみてほしい。信託報酬というのは投信を保有している間、毎日かかるコストだ。これから先も長期間にわたって保有や積立を続けるとしたら、その額はバカにできない。
最後にインデックス投信を評価する時は、指数にちゃんと連動しているかどうかを見ることが重要。ブレが大きいと成績を把握しにくくなるからだ。もちろんこのブレには、信託報酬の高さも影響する。
※本稿は、ダイヤモンド・ザイ編集部編『一番売れてる月刊マネー誌ザイが作った 投資信託のワナ50&真実50改訂第2版』(ダイヤモンド社)から再構成したものです。