韓国語を学び始める人の多くは、K-POPや韓国ドラマ・映画などのエンタメや旅行がきっかけになることが多い。そんな韓国語初学者に絶大な人気を誇るのが、書籍『ゼロからわかる! 楽しく続けられる! 韓国語1年生』(ハングルノート加藤・著)だ。「超初心者にもわかりやすい」と支持を集め、韓国語の学習書としては異例のヒットになっている。今回は著者のハングルノート加藤氏に、人生を広げてくれた韓国語との向き合い方と、本に込めたメッセージについて語ってもらった。(構成:照宮遼子)

韓国語のおかげで世界が広がった
――加藤さんにとって、韓国語との出会いはどんな意味がありましたか。
ハングルノート加藤(以下、加藤):シンプルに言うと、「人生の幅を広げてくれたもの」ですね。日本語しか話せなかった僕が、韓国語を覚えたことで、日本以外の情報にもアクセスできるようになったし、視野が一気に広がったと思います。
――人生を変えるきっかけになったわけですね。
加藤:そうですね。韓国語をきっかけに、仕事のチャンスが増え、人とのつながりもどんどん生まれていきました。単に「言葉を覚える」というレベルではなくて、選択肢や可能性を大きく広げてくれたので、僕にとっては本当に大きなギフトでしたね。
――大きなギフトですか。ハングルノート加藤さんの経験は、これから韓国語を学ぶ人にとっても大きな励みになりそうですね。
加藤:そう言っていただけるとうれしいです。もちろん韓国語にかぎらず、新しい言語を学ぶことで、人生は確実に豊かになります。勉強しているときは大変なこともありますが、「自分が学んだ言語が相手に通じる瞬間」は何ものにも変えがたい楽しさがあると思いますよ。

勉強を続けるコツとは?
――語学学習は、始めるハードルは低くても、学び続ける難しさがありますよね。
加藤:そうですね。そもそも語学は短期間で身につくものではありません。身近な英語ですら日常会話をスムーズにできるようになるには1年以上かかるのではないでしょうか。
韓国語も英語と同じで、いくつかのフレーズだけなら簡単に覚えられるのですが、日常会話をしっかり話せるようになりたい、と思うのであれば本気でやらないと進まないんです。
だから「大変だからやめよう」ではなく、「ちょっと大変でも、それは当たり前」と受け止められるかどうかだと思います。
――ネガティブに捉えないことが大事なんですね。
加藤:そうですね。できないことに落ち込むより、「ここまではできた」と視点を変えることができると、次の一歩も自然に見えてきます。これは語学にかぎらず、仕事や人生でも同じだと思います。完璧にできる人なんていないし、つまずいてもまた立ち上がればいいんです。
「何時間勉強すればどのくらいのレベルになるか」を知っておくと勉強がスムーズに
――これまで伺った経験や考え方は、『韓国語1年生』にどう結びついたのでしょうか。
加藤:僕自身、もともと勉強が得意ではなかったので、なかなか好きになれない人の気持ちがよくわかります。だからこそ「どうすれば続けられるか」を一番に考えました。本には「何時間勉強すればどのくらいのレベルに到達できるか」といった、目標を決めるためのアドバイスも書いています。
――ゴールがわかることで、目標も立てやすくなりますね。
加藤:そうなんです。「日常会話ができるようになるには単語をいくつ覚えればいい」「海外旅行に必要なフレーズはこれぐらい」などのイメージができると、勉強のモチベーションにもつながりますよね。
『韓国語1年生』が、これから勉強を始める人にとって「韓国語学習全体を見渡す最初の地図」のような存在になればいいなと思っています。
目標を決めれば、行動が変わる! 「なりたい姿」をイメージしよう
――『韓国語1年生』を一言で表現すると、どんな本だと感じていますか。
加藤:この本は、僕にとってまさに39年間生きてきた集大成です。ウェブデザイナーとして積み重ねてきた「どうすれば相手に直感的にわかりやすく伝わるか」という視点や、自分が韓国語を学んできた体験、韓国での生活で得た知識をすべてまとめています。
――そうした熱い思いが伝わるからこそ、本書は多くの人に支持されてヒットにつながっているんですね。
加藤:ありがたいことにたくさんの方に手に取っていただいています。自分の経験から、挫折しやすい韓国語学習のポイントをできるかぎりわかりやすく説明したつもりです。
韓国語の勉強法以外にも、韓国旅行のおすすめスポットなどもたくさん書いているので、単なる学習本というより、「韓国語を学ぶことの楽しさそのものが伝わる一冊」になっていると思います。
――最後に、読者のみなさんに向けてメッセージをお願いします。
加藤:「目標を決めれば行動が変わる」ということを伝えたいです。僕自身もそうやって韓国語を続けることができました。
まずは「韓国語を学んでどうなりたいか、理想の姿をイメージする」のが勉強を順調にスタートさせるコツです。『韓国語1年生』が、誰かにとって学習の一歩を踏み出すきっかけになったら本当に嬉しいです。
(本稿は『ゼロからわかる! 楽しく続けられる! 韓国語1年生』に関する書き下ろし特別投稿です)
韓国語ブログ「ハングルノート」管理人
1985年、愛知県生まれ。27歳のときに、韓国人女性と付き合い始めたことをきっかけに、韓国語の勉強を始める。最初の数年は、韓国語自体にさほど興味を持てず、韓国語がまったく身につかなかった。30歳のときに、ワーキングホリデーを利用して韓国国内の企業で就業(日本語で勤務)。32歳でWeb制作会社を起業。本格的に韓国語を学びたいと思い、35歳で韓国へ語学留学。梨花女子大学校、ソウル市立大学校、西江大学校で修学。37歳のときに、西江大学校語学堂6級を卒業。自身の勉強のメモ帳がわりにつくり始めたブログ「ハングルノート」は、開始8年で月間最大180万PV、60万UUを突破。「勉強のポイントがわかりやすい」「韓国のことがよくわかる」と評判に。韓国旅行YouTuberとしても活動し、人気を集めている。