面接を受けている会社に残業時間を聞きたいとき、どう質問したら評価が上がるのでしょうか。
新刊『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』は、特別なガクチカも将来の夢もなかった普通の就活生=「脇役さん」の著者が、1000冊以上の本を読み込み、自分だけの就活戦略をつくりあげ、食品超大手を含む22社から内定を得た実体験から生まれた一冊です。
「長期インターンにも行っていないし」「自己PRで語れることがない」――。
そんな普通の就活生が、どうすれば自分に合う企業に内定を取れるのでしょうか? 就活に不安を抱えるすべての学生、そしてその姿をそっと見守る保護者の方に届けたい、内定につながるリアルな戦略が詰まった、まったく新しい就活本です。今回は、評価される逆質問について著者である藤井氏が特別に書き下ろした記事をお届けします。

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面接官に落とされる質問

面接では、「何か質問はありますか?」と逆質問を聞かれることがあります。面接の最後に聞かれることが多いですが、終わりよければ全てよし。反対に終わりが悪いと、印象が悪くなってしまいます。

そんな重要な逆質問で、僕がおすすめしない質問があります。

それは「残業はありますか?」という質問です。

企業に対して、質問できることはたくさんあるのに、そのなかでまっさきに「残業はありますか?」と聞くのは、「残業をしたくない」という意思表示に繋がりかねません。

また、企業側からすれば、残業があるかどうかは状況や個人の能力によって異なります。繁忙期で、かつ仕事が遅ければ、残業は発生する可能性が高いのです。どの企業も「部署による」というのが正直なところなので、明確に答えづらいのです。

残業時間を聞きたいとき

一方で、残業が長いかどうかはたしかに気になりますよね。そこで聞き方を工夫しましょう。

「日によって業務量も変わると思うのですが、平均するとどのくらいの残業時間になることが多いでしょうか?」

これだと、そもそも残業がある前提で聞いているので、残業をしたくないと感じにくいですよね。「残業はありますか?」ではなく、「(残業はある前提で)どのぐらいの残業時間になることが多いですか?」と聞く。似ているようで、ここには大きな差があります。

人事に憑依する

今回の逆質問のように、「こう聞くのはNG」ということがあります。それらをどう判断すれば良いのでしょうか?

答えはシンプルで、とにかく面接官の立場に立って考えるに尽きます。

僕はこれを「人事に憑依する」という言葉で表現しているのですが、相手の立場に立ってみて、「こう聞かれたらどう思うか?」と考える。

就活や転職は、受験と違って明確な評価指標がありません。会社によって違うし、面接官単位でも、何を評価するかは異なります。

だからこそ、まずは自分が相手の立場に立ってみて考えること。

拙書『脇役さんの就活攻略書』では、中堅大学からカゴメに内定できた理由、就活の動き方を書きました。そんな選考対策の土台となるのが、人事への憑依です。自分が人事だったら、就活生のその行動に対してどう思うか。就活や転職は、正解がないという面白さがあります。そこに、攻略する余白があります。

『脇役さんの就活攻略書』を通して、1人でも多くの就活生が「就活って怖い」から「就活って案外面白いかも!」と考え方が変わることを祈っています。

(本記事は『ありのままの自分で、内定につながる 脇役さんの就活攻略書』に関連する書き下ろしです