
米オープンAIが新たな幹部として採用するフィジー・シモ氏と同社最高経営責任者(CEO)のサム・アルトマン氏は、ある共通のこだわりで意気投合した。両氏とも定例会議が嫌いで、効率性の観点から廃止したほうがよいと考えている。
対話型AI(人工知能)「チャットGPT」の開発元である米オープンAIが今後株式を上場することになれば、準備支援の役割を担うシモ氏には時間を無駄にしない姿勢が求められる。同氏は新設の役職であるアプリケーション部門CEOに就く。オープンAIが利益を上げながら世界展開するための後押しを期待されているほか、上層部の内紛や主要幹部の相次ぐ退社で混乱した企業文化の再構築も任されることになる。
アルトマン氏はシモ氏のような人材をこれまで以上に必要としている。シモ氏は米食品宅配大手インスタカートで事業の運営と立て直しで実績を上げ、現在は同社のCEOを務める。アルトマン氏は最近行った社内の全員会議で、オープンAIが上場した場合に決算説明会を取り仕切る役目は、自身ではなくシモ氏に任せたい考えであることを示した。
今夏に幹部としてオープンAIに加わるシモ氏はアルトマン氏の直属となり、プロダクト、財務、営業チームなど主要事業全体を統括する。シモ氏はオープンAIの新世代のリーダーを象徴する存在となる。
生成AI分野で先頭を走るオープンAIは、2022年のチャットGPT公開以降、従業員数が5倍以上増えた。データ分析のシミラーウェブによると、チャットGPTへのアクセス数は過去1年間で3倍以上増え、月間51億に達した。