シンガー・ソングライターの浜田省吾シンガー・ソングライターの浜田省吾 Photo:SANKEI

シンガー・ソングライターの浜田省吾と
巨人OBの広岡達朗

 広島県の南西部に位置し、瀬戸内海に面する呉市。天然の良港を有し、「軍都」と言われた。呉三津田高校は、市の歴史を反映した明治時代からの伝統を誇る県立高校だ。26年度に創立120周年を迎える。

 知名度が高い卒業生を、紹介しよう。

 シンガー・ソングライターの浜田省吾がOBだ。地上波テレビなどのメディア露出は極力抑え、地道なライブ活動により確実にファンを獲得してきた。70代前半になった現在でも全国公演を繰り返し、40代~60代を中心にファンの心を着実に捉えている。「ロック=英語」という既成概念に疑問を持ち、日本語による歌詞にこだわっている。

 1976年にソロデビューしたが、売れない時代が続いた。82年に日本武道館で初のコンサートを開催し、成功した。サングラスがトレードマークだ。

 もう一人は、早稲田大から読売ジャイアンツに入団し遊撃手として活躍、長嶋茂雄(千葉県立佐倉第一中学・現佐倉高校卒)と三遊間コンビを組んだ広岡達朗だ。現役引退後は、ヤクルト、西武の監督になりセ・パ両リーグで日本一を達成した。

 広岡は、呉市にて6人きょうだいの末っ子として生まれた。海軍軍人の父の影響で、海軍兵学校に入学して海軍将校になることに憧れていた。海軍兵学校への登竜門である県立呉第一中学に入学、卒業時には呉三津田高校になっていた。

 野球部に所属していたが、広島県大会で決勝戦に進出したことから早稲田大野球部から入団を誘われた。早大教育学部に入学し、東京六大学野球リーグでスター選手として活躍した。

 巨人に入団し守備力が高い遊撃手として評判になり、1年目に打率も3割1分4厘を記録して新人王となったが、それ以降は振るわなかった。ただし、現役引退後は、監督・コーチなど指導者として力量を発揮し、ユニークな野球理論で注目された。