児童文学作家の
あまんきみこ
大阪府北部の豊中市にある男女共学の府立高校だ。前身は、戦前に府立高等女学校として設立された。文芸や音楽、芸能界で活躍するOG・OBが目立つ。

日本を代表する児童文学作家で、ファンタジーな作風で知られるあまんきみこ。1931年8月生まれだから、すでに90代半ばだ。現在も京都府長岡京市の地でかくしゃくとしながら、創作に励んでいる。
旧満州の生まれ。父親の転勤のため大連で育った。47年に日本に引き揚げ、大阪府立豊中高等女学校(のち学制改革で府立桜塚高校に)4年生に編入し、同校を卒業後21歳で結婚、28歳の時に日本女子大家政学部児童学科(通信制)に入学し、童話の制作を勉強した。
68年に最初の作品集『車のいろは空のいろ』を上梓し、日本児童文学者協会新人賞・野間児童文芸賞推奨作品賞を受賞した。79年、『ひつじぐものむこうに』でサンケイ児童文学賞を、さらに81年、『こがねの舟』で旺文社児童文学賞を取った。その後もたくさんの児童文学賞を受賞している。
「ちいちゃんのかげおくり」「おにたのぼうし」など、あまんの作品は東京書籍や教育出版など多くの小学校国語の教科書にも掲載されている。子どもたちの間で、「あまん」の名前は、おのずと知れ渡ることになった。「あまん」の語感が、耳に入りやすいこともあった。
あまんより4学年後の54年3月には、詩人・小説家の富岡多恵子が、桜塚高校を卒業している。高校教師を務めたのち上京し、詩集を出した。58年には詩集『返礼』でH氏賞を受賞し、この世界でのデビューを果たした。