3日ごとに距離を縮めてみましょう。(1)で名前を呼びながら、パーソナルスペースに10cmほど踏み込んでみます。

 猫さんに変化がなければ、目を合わせて声をかけましょう。いやいやサインが出たら、また10cm戻ってください。

 そして3日後にまた10cmほど距離を縮めてみます。そうやって「嫌がらなければ近づく」「嫌がったら戻る」を繰り返しながら、少しずつ近づいていきます。

「なぜかネコにモテる人」が無意識にやっていること【獣医が解説】同書より転載 イラスト/伊藤ハムスター 拡大画像表示

 もうひとつ大切なのが、優しく名前を呼ぶことです。小さめの優しい声、いわゆる「猫なで声」は、猫さんにとって心地よいものです。無言で目を合わせると猫さんも驚いてしまうので、「これから目を合わせますよ」というサイン代わりにもなります。

 ツンツン度100の猫さんにさわれるくらい近づくまでは、とにかく時間がかかります。でも、ゆっくりと距離を縮めていけば、いずれ猫さんも「この人、こんなに近くにいても無害なんだ」と気づき、緊張を解いて穏やかな顔つきになっていきます。

ツンツン度80…人が近づいても
逃げないがタッチはNGの猫の場合

 近くにいることはできても、飼い主さんがさわろうとすると嫌がったり、逃げたり、場合によっては威嚇をしたりする猫さんと仲よくするためのトレーニングです。

 ツンツン度80の猫さんには、少しずつなでることで「この人が近づいてくると、気持ちがいいことをしてくれる」と覚えてもらいましょう。