
早朝から要求鳴きがうるさい、出かけようとすると引っ掻いてくる……飼い猫の問題行動に悩む飼い主は多い。しかし、動物行動学を学べば、猫の気持ちや問題行動の理由がわかるのだ。SNSで人気の獣医師が教える、飼い猫問題の解決法とは。※本稿は、根来沙弥『ツンツン猫をデレデレにする方法』(KADOKAWA)の一部を抜粋・編集したものです。
「猫の問題行動」には
2種類のパターンがある
「動物行動学」は、動物がなぜその行動をしているのかを研究・解明する学問です。
行動診療科には、さまざまな問題行動を抱えた動物を連れた飼い主さんが相談にいらっしゃいます。
一般的に、問題行動と呼ばれるものには2種類あります。
(1)その動物にとって普通ではない行動や、普通ではない行動の回数
↓
例)大声で何度も鳴く、攻撃的になる、粗相をするなど。
(2)その動物にとっては普通だが、人間には不都合な行動
↓
例)朝早く起きる、家具や壁で爪を研ぐ、物を落とすなど。
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例)大声で何度も鳴く、攻撃的になる、粗相をするなど。
(2)その動物にとっては普通だが、人間には不都合な行動
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例)朝早く起きる、家具や壁で爪を研ぐ、物を落とすなど。
明らかに問題を抱えている(1)もあれば、(2)のケースでもよく相談を受けます。
たとえば、猫さんは夜明けと夕方に活発になる習性があります。そのため、朝早く起きて食事をしたり遊んだりするのは猫さんにとっては自然なことですが、人間には眠い時間帯なので、猫さんに起こされてしまうと人間にとっては問題行動と認識されてしまうのです。
私たちは(1)はもちろん、(2)の場合でもお手伝いをしています。飼い主さんから詳しいお話を聞きながら、動物行動学の知識を用いて「なぜその行動が起こったか」を突き止め、次に「どうすればその行動を人間と共存できる形に修正できるか」を考えて、その子に合う治療プランを提案します。