美女から「お兄さん、Pじゃないんだ」
ネットカフェでは何が?
フロアの状況を把握しようとキョロキョロしていると、不意に後ろから声をかけられました。
「○○番の人?ちょっと早いけど大丈夫?」
私が利用する部屋の番号を呼ばれたので振り返ると、そこに立っていたのは、まるで女優の永野芽郁さんを思わせるような整った顔立ちの女性でした。
白い肌に長いまつ毛、ナチュラルメイクがかえって目を引き、一見するとアイドルのような可憐な雰囲気をまとっていながら、胸元が大胆に開いた過激な服装で、足元には履きつぶしたヒールが光っていました。
戸惑いながら「いや、誰かと間違っていませんか?」と答えると、彼女はスマホを確認し、苦笑いを浮かべました。
「あー、今キャンセルきた……。またドタキャンかよ、今日は多いわー。ほんとタイミング悪すぎぃ」
ため息交じりにそう言った彼女は、ナナミ(20歳)と名乗り、突然の声かけは、SNSで“予約”していた客と私を間違えたのだと分かりました。
ナナミさんは美しい外見に似合わず、意外にも気さくでフレンドリーな口調で話し始めました。
「お兄さん、Pじゃないんだ。この店ね、今稼げる女の子の間で有名なの。出会い系やパパ活アプリで客を釣って、相手に部屋番号だけ送らせる。あとはこっちから移動してプレイするって感じ」
Pとはパパ活の隠語で、1プレイ2万円が相場で、1日に5~6人、多いときは10人以上の客をこなす子もいるなど、聞いてもいないのにペラペラしゃべってくれました。
さらには、準備や移動や待ち合わせで30分以上もかかってしまうホテルよりも効率的で、ネットカフェのスタッフに顔を覚えられていても特に何も言われない、変な客だったらドアを開けて大声を出せば誰かが助けてくれる、未成年も簡単に入り込めるなど多くの利点とともに、システムが整っているネットカフェパパ活の恐ろしい現実が、彼女の口から淡々と語られていきました。