キャリーバッグの取っ手と横断歩道を歩く人々写真はイメージです Photo:PIXTA

歌舞伎町の新宿東宝ビル周辺に集う若者たち「トー横キッズ」が社会問題化している。未成年者が昼夜問わずたむろするトー横では、オーバードーズでの緊急搬送や援助交際、パパ活が横行。若者同士のトラブルも日々勃発している。そんなトー横を拠点にホームレス化する若者の実態を『Z世代のネオホームレス』(KADOKAWA)の著者、青柳貴哉氏に聞いた。(清談社 吉岡 暁)

パパ活で生計を立てる
15歳の「ネオホームレス」

 いわゆる「ネットカフェ難民」と呼ばれる、統計にも計上されない「見えないホームレス」が増えている。厚生労働省の2023年度調査によると、全国の路上で生活する人の数は3448人。2007年の同調査の人数1万8564人と比較すると大きく減少しているように感じられるが、その一方で、少し古いデータだが、安定した住居がない状態でネットカフェ等を利用する人は、都内だけで一晩に4000人いると推計されている(2018年、東京都調査)。

 さらに最近は、そんな「見えないホームレス」の若年化を指摘する声もある。社会問題化している歌舞伎町の「トー横キッズ」もその一部だ。彼らの中には集団でホテルの一室を借りて寝泊まりしたり、日々ネットカフェを利用して生活したりする未成年者が紛れている。

 YouTubeでホームレスの実態に迫るドキュメンタリー番組「アットホームチャンネル」を運営する青柳貴哉氏は、こうしたZ世代のホームレスの存在を「ネオホームレス」と表現する。ネオホームレスとは一体どのような存在なのか。青柳氏の著書『Z世代のネオホームレス』(KADOKAWA)には、ネオホームレスの定義についてこう書かれている。