キリロ・ホルベンコさんは16歳だった2023年の夏、男友達約20人と共にウクライナ東部にある軍の新兵採用事務所を訪れ、前線でロシア軍と戦いたいと申し出た。事務所の担当者らは笑い飛ばし、成人してから戻って来るように言った。友人らはその後、興味を失うか国外に行ってしまったという。しかしホルベンコさんは今年3月に18歳になるとすぐに入隊した。「自分たちが戦わなければ、誰が戦うのか」。痩せて背の高いホルベンコさんは4月、ウクライナ東部の訓練場で新兵向け研修の準備をしながらこう語った。彼が間もなく共に戦うことになる数千人の戦闘経験豊富な兵士と異なるのは、入隊時に無利子の住宅ローン、貴重な国外休暇の機会、そして総額100万フリブニャ(約350万円)の入隊ボーナスの初回支払いを確保したことだ。この金額は多くのベテラン兵士の年収を上回る。