大人の言い換え力検定写真はイメージです Photo:PIXTA

人に好かれるも嫌われるも、真意が伝わるも伝わらないも、一目置かれるも軽く見られるも、すべては使う言葉次第。クイズに挑んで、ワンランク上の「大人の言い換え力」を身につけましょう!(クイズ制作/石原壮一郎)

クイズ

 親戚のお祝い事で高級中華料理店へ。回転テーブルが付いた円卓に座ったら、高齢の叔母が「これ、便利ね」とはしゃぎつつ、右や左に動かして食べ物を取り始めた。

 本来は「時計回り」に動かすのがマナーとされている。ただ、高齢の叔母に「それはマナー違反だよ」とは言いづらい。さて、どうしたものか?

(A)「便利だよね」と話を合わせつつ、自分はマナー通りの方向に動かす
(B)「便利だよね」と話を合わせつつ、自分も右回りや左回りに動かす
(C)「どっち回りが正解とかってあるのかな?」と回転方向の話題を振る

正解は……

B

△ (A)「便利だよね」と話を合わせつつ、自分はマナー通りの方向に動かす
◎ (B)「便利だよね」と話を合わせつつ、自分も右回りや左回りに動かす
× (C)「どっち回りが正解とかってあるのかな?」と回転方向の話題を振る

解説

 中華料理店の円卓の回転テーブルは、一般的には「時計回り」に動かすのがマナー。一応覚えておいて、ビジネスシーンやかしこまった席ではそうしたいところです。

 しかし、この状況で高齢の叔母に「マナー違反だよ」と注意する必要は、まったくありません。叔母に恥をかかせるほうが、よっぽど重大なマナー違反です。ここではBのように、自分も反対方向に回して「どっちもアリ」にするのが、本当のマナーと言えるでしょう。

 どうしても反時計回りに動かすことに抵抗があるなら、Aでも大丈夫です。回転方向の話題を振るCは、叔母に「正解」を知らしめようという邪念を捨てきれていません。マナーという呪縛にがんじがらめになっている証左であり、非常に残念な姿勢です。

石原壮一郎・コラムニスト