「税金を安くしろ!」と怒鳴る客に、プロが返した意外な一言
「税金を安くしろ!」と怒鳴られたとき、正論で返すのは逆効果。相手をさらに怒らせず、納得へ導くプロの切り返し方とは? 見当違いの要求にどう向き合えばいいのか、現場ですぐ使える一言を紹介します。
クレーム対応で参考にしたいのが、『クレームは「最初の30秒」で9割解決 クレーム対応 最強の話しかた[完全版]』(ダイヤモンド社刊)です。今回は、同書から特別に抜粋・再編集し、クレームの対応方法を紹介します。(文:山下由美)
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「税金を安くしろ!」と怒鳴る客に、プロが返した意外な一言
「税金が高いから安くしろ」「天気が悪くて旅行が台無しになった。責任をとれ!」
このように、こちらではどうにもできない、見当違いの要求をぶつけてくるお客さまがいます。こうしたお客さまも、内心では「それがあなたの責任ではない」ことをわかっています。それでも、行き場のない不満や怒りを抱え切れず、たまたま対応している目の前のあなたにぶつけてしまっているのです。
こうしたクレームに対して、最もやってはいけないのは正論で突き放すことです。
「法律で決まっているので無理です」「天気のことまで責任は負えません」「それは当社の責任ではありません」といった正しい説明を重ねるほど、相手は「冷たい」「親身になってくれない」と感じ、今度は要求そのものではなく、あなたの人格や態度への攻撃にシフトしてしまいます。
正面から否定せず、ずらして受け流す
要求が見当違いなお客さまへの対応ポイントは、真正面から戦わないことです。「できない」と即答せず、視点や時間を少しずらすことで、相手の怒りを受け流します。
【手順①】怒りの背景を探り、「次善策」を示す
理不尽な要求をそのまま受け止める必要はありません。超共感法を使いながら、その背景にある本当の困り事を探ります。たとえば、役所で税金を安くするように迫られた場合は、次のように対応します。
住民「税金が高すぎるだろ! 安くしろ!!」
職員「えっ! 昨年に比べて、税額が上がっているのですね?」(背景を探る質問)
住民「そうだよ! 給料が下がったのに、税金が上がるなんておかしいだろ!?」
職員「それは大変ですね。給与が下がったのに、税金が上がるなんて!」(共感)
住民「そうなんだよ!」
職員「課税台帳を調べていいですか?(←調査への同意を求める)……お調べしたところ、お子さまが成人されて扶養人数が減っているので、税額が上がっています。税額を下げることは法律上できませんが、分割納付のご相談でしたら承れます。いかがなさいますか?(←次善策の提案)」
このように「税金を安くしろ」という要求自体はかなえられなくても、分割納付という次善策を示すことで、相手は「苦しさをわかってもらえた」と感じます。振り上げた拳を下ろし、話を聞く姿勢が整います。
【手順②】「時間を置く」提案でクールダウンさせる
その場で次善策が思いつかない場合は、無理に結論を出そうとせず、時間を置くのも有効です。たとえば、「私の一存では判断できませんので、一度持ち帰って確認し、改めてご連絡差し上げてもよろしいでしょうか」と伝えて、冷却期間を設けるのです。
「自分が正しい」と言い張るお客さまの場合と同様に、時間を置くことで冷静さを取り戻し、「さっきは無理なことを言ったな」と、相手から引き下がってくれることも少なくありません。
また、「確認する」という姿勢そのものが誠意として伝わり、要求が通らなくても、相手に一定の納得感を持ってもらうことができます。
※この記事は、『クレームは「最初の30秒」で9割解決 クレーム対応 最強の話しかた[完全版]』(ダイヤモンド社刊)を再編集したものです。



