僕にも似たような経験がありまして、収入が増えたことで財布の紐が緩んだ時期があります。家計管理が甘くなり、値段を気にせずお金を使ったり、見栄を張るために高い商品を好んで買ったり、あれこれとモノを買い、食費も増え、旅行頻度も増え、読みもしない本を大量に買い漁り、ただただ自分の欲求に従ってお金を使っていました。気づいたときには生活費が大幅に上がっていて、もうそのときは必死に仕事をしてましたね(苦笑)。

「贅沢な生活」のため
身も心もボロボロに

 本当はそこまで必死に働きたくないのに、生活費が高いから仕方なく仕事をしている状態でした。本当に人間の欲というのは恐ろしいです。あなたも、昔の僕と同じようになってないでしょうか?

 僕にもそのような苦い経験があるので、収入が増えれば贅沢したい気持ちもわかるし、欲しいモノをたくさん買いたくなる気持ちもわかります。お金を稼いだら使いたくなるのは、人として自然な欲求です。むしろ、支出を増やさないように徹底するのは、かなり難しいと言えるでしょう。

 僕が「贅沢な生活」を改めることができたのは、あるとき限界を感じたからです。体調不良が頻繁に起こり、体はボロボロ。過労とストレスで爆発寸前でした。だから、生活を見直す必要があったのです。僕はすぐに家計を見直し、新たな暮らし方を模索し始めました。

 そして、「質素で慎ましい生活」に辿り着いたのです。キッカケは「禅」について学んだことと、元ウルグアイ大統領のホセ・ムヒカさんの暮らし方や言葉に感銘を受けたからです。

 禅には、「少欲知足」という言葉があります。「ないものを求めず、今あるものに満足しなさい」という意味です。僕は、節約をしながら心豊かに生きるには「これしかない!」と思いました。