「真面目に仕事をしているのに、なぜか上司に評価されない…!」
あなたも、自分より能力が低い人がなぜか上司から高く評価されていて、イラッとした経験があるはず。ではこのような「なぜか評価される人」の“戦略”を、あなたは知っているだろうか。『雑用は上司の隣でやりなさい』は「周りに実力を“評価させる”戦略」を初めて言語化したロングセラーだ。発売直後から賛否両論を巻き起こし、「よくぞ言ってくれた」「暗黙知が“言語化”されている」「今まで気づいていなかった“新事実”」など大反響が集まっている。そんな「職場で実力を適切にアピールする“見せ方”の技術」をまとめた本書の中から「出世する人/しない人の特徴」についてお伝えする。

上司の言いなり社員は出世しない
職場には必ずイエスマンがいます。何でも上司の言うことを聞いてしまう言いなりの同僚があなたの職場にもいるのではないでしょうか。
僕の勤めるメガバンクは体育会系の採用が多いので、ガタイがいい男性行員のほとんどは「何の疑いもなく上司のことを聞いてしまうイエスマン」です。あと、今まで小学・中学・高校と常にトップの成績をおさめて神童と呼ばれていたような真面目な銀行員も従順なイエスマンになってしまうケースが多いです。
何でも言うことを聞くイエスマンは上司からの信頼も厚く、特に若手のうちは高い評価をもらいがちですが、数年もすると出世レースから外れてしまうケースの方が多いです。
本日は、なぜイエスマンで上司の言いなりになってしまうことが悪いのかを解説します。
「無能上司」についたイエスマンの末路
まずは、イエスマンであることのメリットについて考えてみましょう。これはあなたの想像の通りで、上司からの信頼が厚くなりやすいことが真っ先に挙げられるでしょう。全く反抗しない部下は上司からはとても重宝されますし、仮にそのイエスマンの同期が反抗的であれば、相対的にイエスマン側が高い評価をされるからです。
これだけ聞くとイエスマンである方がメリットが大きいように感じられてしまうようですが、そんなにサラリーマン社会は単純ではありません。これはデメリットについて考えてみると分かりやすいです。
イエスマンであることの最大のデメリットは、上司が無能なケースであることが想定されていないことです。
どんなにイエスマンが優秀であったとしても、司令塔である上司が誤った指示を出してしまえばチームとしては前に進めません。
上司はいつも正しいわけではない
イエスマンは、有能な上司の下につけば無敵です。しかしながら、有能な上司であっても、自分の上司が常に自分よりも正しい判断ができていると言い切れるでしょうか。
社会における出世は、ただ優秀であれば出世するわけではなく、無能であっても運さえ良ければ出世してしまうことがあります。そんな無能なラッキー上司の下についてしまった優秀なイエスマンの末路は悲惨です。間違った指示を真面目にこなしても減点に減点を重ねるだけですからね。
そんな時に、「イエスマン」でいると自由に身動きが取れなくなってしまうことがあります。こういった時は、戦略的に「イエスマン」として振る舞い、時にはその逆のアプローチをするなどのコツが必要です。
(本記事は『雑用は上司の隣でやりなさい』の一部に基づき抜粋・編集・加筆した原稿です)