株式投資をする人たちの間で大きな支持を集める話題の1冊が『株トレ――世界一楽しい「一問一答」株の教科書』だ。60問のクイズに答えるだけで「投資のコツ」をつかめる手軽さが人気を博し、絶賛の声が尽きない。著者は、ファンドマネジャーとして2000億円超もの資金を運用してきた経歴を持つ楽天証券・窪田真之氏だ。本稿では、『株トレ』の担当編集者が本書のポイントを紹介する。(構成/ダイヤモンド社書籍編集局)

株のプロが「買う前に必ずチェックする」チャートの鉄則ベスト3Photo: Adobe Stock

チャートを使ったトレードで稼ぐ

 株を買うとき、「有名な人が推してるから」「話題になっているから」と、つい先入観にとらわれて買ってしまうことがあります。

 そんなトレードで痛い目を見た、という経験をもつ人は少なくないでしょう。

 25年間にわたって日本株ファンドマネジャーを務めた窪田さんは、「そうした思い込みを捨てて、チャートに素直に従うことが大事だ」と『株トレ』の中で強調しています。

 特に、値動きの大きい小型成長株は、トレンドが出やすいため、チャート分析が非常に有効です。

 上がるときは一気に上がり、逆に下がるときも大きく落ちる。そのトレンドにうまく乗れれば、短期間で大きな利益を出せる可能性があります。

① 売買高:需給を見極める

 チャートを見るとき、ローソク足ばかり気にしてしまう人も多いと思いますが、窪田さんが重視しているのは「売買高(出来高)」です。

 たとえば、株価が急に上がって、あわせて売買高も大きく増えている状況。それは多くの投資家、特に取引額が大きな機関投資家たちが一気に買いに来ているシグナルです。

 つまり、その企業に関する何かポジティブな材料が出た可能性が高いというわけです。

② 移動平均線:トレンドに逆らわない

 下がっている株を見ると、つい「安くなっている今がチャンス!」と思って買いたくなってしまいますよね。 

「13週・26週移動平均線は、長期的な企業価値の変化を反映してゆるやかに変動する」

 窪田さんは本書の中でこのように語っています。

 つまり、移動平均線が下向きのときに買うのは、価値が下がっている企業に投資する「危ない賭け」だということ。

 下がっている株ではなく、右肩上がりの株を買い、トレンドが続く限り持ち続けることが、大きな利益を得るための鉄則です。

③ ボリンジャーバンド:トレンドの初動をつかまえる

 窪田さんが「最も信頼するツール」と太鼓判を押すのが、ボリンジャーバンドというテクニカル指標です。

 ボリンジャーバンドは、なじみが薄い方もいるかもしれませんが、ネット証券のウェブサイトや、無料のサイトでも使うことができます。

 ボリンジャーバンドは、「移動平均線±標準偏差(σ)」の2つの線で、相場のボラティリティを視覚的に示してくれるツール。

 本書では、「13週移動平均線±2σ」を使用しており、統計的に、株価がこのバンド内に収まる確率は約95%とされています。

 では、ボリンジャーバンドをどのように活用すればよいのでしょうか?

 窪田さんによると、バンドが狭まった状態で、株価が勢いよく外に飛び出した瞬間が、トレードを狙うタイミングです。

 たとえば、株価がバンドの上にポンと飛び抜けたとしたら……。

 それは新しい材料が出て、その株に対する市場の評価が一変し、新しいトレンドが始まった可能性があります。

 投資家が一斉に買いに動いている「トレンドの初動」だというわけです。